...別(わか)るゝ時(とき)一掬(いつきく)の雪(ゆき)を取(と)つて...
泉鏡花 「花間文字」
...世にすてられしかなしさは誰(たれ)ありて一掬(ひとすくひ)の水だに手向(たむく)る人なし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...てのひらを二つならべて一掬(きく)の水を貯え...
太宰治 「思案の敗北」
...一掬(いっきく)の涙を催さしめるが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...世ニモ不幸ナ人ガアレバアルモノダト思ッテアナタノタメニ一掬(いっきく)ノ涙ナキヲ得マセン...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...匙で一掬いずつ味をみていた...
豊島与志雄 「化生のもの」
...オアシスの一掬の清水であろう...
豊島与志雄 「故郷」
...焦(こ)げのなさそうなところを見計って一掬(ひとしゃく)いしゃもじの上へ乗せたまでは無難(ぶなん)であったが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...潸然(さんぜん)として一掬(いっきく)の涙(なんだ)を紫の袴(はかま)の上に落した...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...少くとも一掬の文学の妙に酔はれるであらうことは...
牧野信一 「坂口安吾君の『黒谷村』を読む」
...一掬(いっきく)の涙があってもよいではないか...
牧野富太郎 「植物知識」
...こおるが如きかけひの水を一掬(すくい)して...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...一掬の清水はよく庭裏の誠をうつすからである...
室生犀星 「庭をつくる人」
...彼の遺恨(いこん)に対して一掬(いっきく)の悲涙なきを得ない...
吉川英治 「上杉謙信」
...水柄杓(みずびしゃく)へ一掬(すく)い汲んで渡しながら...
吉川英治 「篝火の女」
...一掬(きく)の涙もなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...岩清水一掬(いわしみずいっきく)の...
吉川英治 「新書太閤記」
...点々一掬(きく)の水となれり...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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