...石見は武道一偏のわやく人(にん)に候間...
芥川龍之介 「糸女覚え書」
...精神的意義に乏しき武断一偏の校風が今猶勢力を有する結果なるべくと...
石川啄木 「渋民村より」
...實儀一偏に平生無口な足人には...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...既に天運循環なる語のやゝ眞理の一偏を得たるを認めんには...
内藤湖南 「學變臆説」
...兩つながら一偏を執りて相通ぜざる所以なり...
内藤湖南 「學變臆説」
...たとえば無骨(ぶこつ)一偏の人と思った者にして...
新渡戸稲造 「自警録」
...家厳(かげん)が力をつくして育し得たる令息は、篤実一偏、ただ命(めい)これしたがう、この子は未だ鳥目(ちょうもく)の勘定だも知らずなどと、陽(あらわ)に憂(うれえ)てその実(じつ)は得意話の最中に、若旦那のお払いとて貸座敷より書附(かきつけ)の到来したる例は、世間に珍しからず...
福沢諭吉 「学者安心論」
...徳義一偏より言えば或は不可なきが如くなれども...
福沢諭吉 「新女大学」
...今日は是れ民權論一偏の世の中なれば...
福沢諭吉 「帝室論」
...唯一偏に帝室の御爲を思ひ...
福沢諭吉 「帝室論」
...左伝通読十一偏その中...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...全く攘夷一偏の世の中となった...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...所が武道一偏、攘夷の世の中であるから、張子の太刀(たち)とか兜(かぶと)とか云(い)うようなものを吊すようになって、全体の人気(にんき)がすっかり昔の武士風になって仕舞(しまっ)た...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...藩の制度は守旧(しゅきゅう)一偏(いっぺん)の有様で...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...三百何十通の手紙又親子の間は愛情一偏で...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...その力で他のネジも皆一偏に頭がモゲて...
松永延造 「職工と微笑」
...律義一偏だ...
吉川英治 「私本太平記」
...社会(せけん)ばなれな武骨一偏になってしまい易いことも当然である――と武蔵は思った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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