...作品の美醜の一半は芸術家の意識を超越した神秘の世界に存してゐる...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...その理由の一半は現世の人々の鑑賞眼が詩歌に及ばないことも数へられるであらう...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...水の一半は、未だ瀑壺に落ちざる前に烟となりて上昇す...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...一半は地方に別れ行き...
大町桂月 「房州紀行」
...彼女が堕落した罪の一半は勿論(もちろん)私にもあるのですから...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...雷電の怪物が分解して一半は科学のほうへ入り一半は宗教のほうへ走って行った...
寺田寅彦 「化け物の進化」
...一半は外國の援助で維持され...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...科学的認識構成の他の副次的な一半は(併し之とても理論的にも実際的にも右に劣らず重要なのだが)...
戸坂潤 「科学論」
...翕然として之に趣くに至るといふ責任の一半は...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...そういう間違いをするという責(せめ)の一半は...
中谷宇吉郎 「簪を挿した蛇」
...答の一半は明亮である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その局に当りその地位を得るは一半は材能により一半は年歯(ねんし)による...
正岡子規 「病牀譫語」
...彼らが作句の一半はこの部に属すべき者なり...
正岡子規 「古池の句の弁」
...しかしその罪の一半はたいていの場合思想家自身にもあるのであって...
三木清 「人生論ノート」
...物語の一半は、親しく岡田に交(まじわ)っていて見たのだが、他の一半は岡田が去った後(のち)に、図らずもお玉と相識になって聞いたのである...
森鴎外 「雁」
...私の失望の一半は...
芝不器男 「不器男句集」
...一半は、将門の叔父たち――常陸の大掾国香、羽鳥(はとり)の上総介良兼(かずさのすけよしかね)、水守の常陸六郎良正など、いわゆる平氏の族が持っていた...
吉川英治 「平の将門」
...さんざん費(つか)わせた責任の一半は藤次にもあるので...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??