...もう一つ家の人を困らせたことがある...
伊波普猷 「私の子供時分」
...妻妾一つ家に顔を列べてるのが一向珍らしくなかったのだから...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...かくは一つ家根(やね)に住み...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...一つ家にいてたら安心やよって...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...――・かな/\ないてひとりである一すぢの水をひき一つ家の秋・焼き捨てゝ日記の灰のこれだけか今日は行乞中悲しかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...一つ家の遊女と袂(たもと)を別った...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...一つ家に住んでる親子だから...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...安達(あだち)の一つ家といったような気分だな...
中里介山 「大菩薩峠」
...鬼の籠(こも)る一つ家へ追い込まれてしまった...
中里介山 「大菩薩峠」
...七兵衛はこの一つ家の中へ入りますと...
中里介山 「大菩薩峠」
...鬼の化け物であるべきはずの一つ家のあるじが...
中里介山 「大菩薩峠」
...この老婆が一つ家の鬼婆の変形(へんぎょう)ではなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は一つ家に住むものがどんな対人関係をもっても...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一つ家にいて、あとからあとから忘れながら話しているようないろんなこと、一寸したこと、そして笑ったりすること、こういう流れるものは手紙にはなかなかのらないものですね、笑いというのが土台曲者だから、つかまえるに楽でない、それに字になると、笑いが又笑いをさそい出す味が消えてしまって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...こういう遠くの一つ家から見まもられていることに...
室生犀星 「玉章」
...このかたおひとりを頼りに一つ一つ家政を覚えたのでした...
山本周五郎 「日本婦道記」
...稲吉をはじめ黒衣(くろご)の影が一つ一つ家のなかにかくれました...
吉川英治 「江戸三国志」
...その一章の句に――一つ家に遊女も寝たり萩の月――というのはあるが...
吉川英治 「随筆 新平家」
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