...そして所員について一々ただしてはみたが誰一人その時刻に階段を降りたというものはなかった...
海野十三 「階段」
...そのときは歩けるのですから不思議ですわ」静枝の答は一々明快だった...
海野十三 「三人の双生児」
...それにまたそう云われても仕方のないようなことをなさいますもんですから』『どんなことをなさるんですの?』『一々は覚えて居りませんが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...花翁君のではこれがえゝやうですな」とそれから二人の句を一々批評されて「私は猿蓑が好きでやして...
高濱虚子 「俳諧師」
...……一々並べられはせん...
橘外男 「仁王門」
...一々番号のレコウドを取って統計を作り...
谷譲次 「踊る地平線」
...何も一々自分のしたこと報告せんならん思てエへんもん...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...(なお高商其他で追放された左翼教授は数知れずあるが、一々知らない...
戸坂潤 「社会時評」
...それらのものを一々聞き分けることを教えてくれた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...品名や数量を一々変な節廻しで呼上げては...
中島敦 「光と風と夢」
...一々半畳を入れられる...
中谷宇吉郎 「娘の結婚」
...余り大切にして一々暖い部屋へ持ち込んで掃除をしていたら...
中谷宇吉郎 「雪雑記」
...一々の仮名の用法の調査を行って...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...一々皆読んで見なくても好い...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...釘をすてて帰るなどいふ事も随分変的な想像なれど一々に論ぜんはうるさければ省く事とすべし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...また目が見えぬから食物の名を一々告げてすすめたという...
柳田国男 「年中行事覚書」
...せん方なしに力士へは一々革製の猿ぐつわをはめることになり...
山本笑月 「明治世相百話」
...一々切出小刀で腹を割いて一列に竹串に刺し...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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