...それ相應に一々文句が違つてると云ふので...
石川啄木 「天鵞絨」
...いかにも興味なさそうにしながらも色々の物を一々じっと凝視(みつ)めては過ぎて行った...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...こうして一々数えていったあげくの果ては...
高神覚昇 「般若心経講義」
...あたしが一々云わんかて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一々お金を出すのも面倒ですから...
徳田秋声 「あらくれ」
...彼は一々胸に釘うたるゝ思であった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ちょっとでもちがうと一々やり直しである...
中谷宇吉郎 「続先生を囲る話」
...その他いろいろの条項について一々自分に話して聞かせた...
夏目漱石 「行人」
...一々ほごし始めた...
夏目漱石 「道草」
...町役人を一々当ってみたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...つまりそれらの音を色々に組合せて一々の語の形が出来...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...一々奥の嘉吉へ「あなたやつて頂戴よ」と云つて走り込んで来た...
林芙美子 「朝夕」
...友情のない奴の品物なンぞ見るのも不愉快(ふゆかい)だ」僕は一々彼女に向ってああしては悪い...
林芙美子 「魚の序文」
...一々手でさわって行く根気のよさには...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...一々それをおばあさんに訊(き)いたような気がする...
堀辰雄 「幼年時代」
...また俗間で歌よむ人々は何も一々植物学者ではないから...
牧野富太郎 「植物記」
...支那の動物は今に十分調ばっていぬから一々推し当つるは徒労だが...
南方熊楠 「十二支考」
...髪青く長く黒く一々旋(めぐ)る(『毘耶婆(びやば)問経』下)...
南方熊楠 「十二支考」
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