...芭蕉の情調のトレモロを如実に表現した詩語である...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...愛する者によつて掻き鳴さるる我が魂の慄へ(トレモロ)を熱愛するのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...人格ではなくて唯彼の魂にトレモロを準備するための器械である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...おーい……」と心の声とも波のうめきともわからぬトレモロが流れ...
有島武郎 「或る女」
...同じ北斎が自分の得意の領分へはいると同じぎざぎざした線がそこではおのずからな諧調(かいちょう)を奏してトレモロの響きをきくような感じを与えている...
寺田寅彦 「浮世絵の曲線」
...気どったトレモロが聞こえたりします...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...蟋蟀(こおろぎ)の鋭い顫音(トレモロ)は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...插楽劇(メロドラマ)的な顫音(トレモロ)と奏楽珈琲店的な風情(ふぜい)とで重々しく広がっていった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...顫音(トレモロ)を伴わせながら無理やりに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...暖いトレモロで満たして下さい...
中原中也 「寒い夜の自我像」
...子供芝居の悪漢の登場のようにヴァイオリンの震音(トレモロ)つきで...
久生十蘭 「だいこん」
...その中に歌ふトレモロ――秋の初風(はつかぜ)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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