...電話のベルがチリチリチリンと鳴りだした...
海野十三 「海底大陸」
...焼けば焼くほどチリチリに縮みあがる肉の上に注ぎながら...
高見順 「如何なる星の下に」
...赤い火がチリチリと煙(けぶ)っているのが夏の夕方なぞよく眺(なが)められました...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...ある晩のこと茶音頭の手事(てごと)を稽古していると佐助の呑(の)み込(こ)みが悪くてなかなか覚えない幾度(いくど)やっても間違えるのに業を煮(に)やして例のごとく自分は三味線を下に置き、やあチリチリガン、チリチリガン、チリガンチリガンチリガーチテン、トツントツンルン、やあルルトンと右手で激しく膝(ひざ)を叩(たた)きながら口三味線で教えていたがついには黙然(もくねん)として突(つ)っ放(ぱな)してしまった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...それの調子を合わせながら針金の絃(げん)をチリチリ鳴らしているのです...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...ベルがチリチリンと鳴った...
田山花袋 「田舎教師」
...かなりピッチの高い共鳴器で聞くとチリチリチリといったように一秒間に十回二十回ぐらいの割合で断続する轢音(れきおん)が聞こえる...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...独楽はチリチリヽヽといふ微かな音を立ててシンミリ廻つた...
中原中也 「耕二のこと」
...子分達はチリチリバラバラ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鬢の毛までがチリチリ焼ける中を平次は定吉の引上げた梯子を取って穴倉の口へ掛けると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...死なないものも火の勢いに恐れてチリチリバラバラに逃げ失せた...
夢野久作 「猿小僧」
...「や、やあッ!」「とう!」二人の気合が、一どきに、物すごく、空でカチ合って、重ねて、「たッ!」と迫った叫びが、平馬の咽喉をほとばしったと思うと、二尺五寸の刀と八寸あまりの刃が、微妙にからみ合って、赤い火花を、チリチリと、細かく照したが、いつか二人のからだが、入れかわって、ジリジリと押しつけ合う...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それではとにかく浴衣でも持って三時何分かの上りで出ようということにして河村さんにも留守たのんだら又チリチリ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...千石船もチリチリです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...長い毛がチリチリと曲って生えているのが大変に珍らしかったので...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...チリチリ燃える蝋燭の光りに...
吉川英治 「折々の記」
...猫(ねこ)はなおチリチリと逃(に)げだして...
吉川英治 「神州天馬侠」
...火縄(ひなわ)の火がチリチリと散ったせつなに...
吉川英治 「神州天馬侠」
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