...聞き手たちはわれを忘れておどろきいり...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「幽霊花婿」
...われを忘れていっさんに通りを横ぎり...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...ただただわれわれが恋愛の法悦や情熱にわれを忘れて打ち込む術(すべ)を知らぬからだそうだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...やって下さい」僕はわれを忘れて叫んだ...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...ふ!」彼は燃えさかる憎念にわれを忘れていた...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...ここへ来ていると意外な知らせを耳にした彼は一時にわれを忘れてしまったのである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...少なくとも、自分の目で見ないためなので……わたしは今すぐ、この場で、自分がこんなことをしたのは、われを忘れて、なにげなく、あわててへまな真似をしたのだと書いて、嘘をつきたいくらいに思うのだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...道庵はそれをいちいち熱心に眼を通して歩き、「五人組改帳(ごにんぐみあらためちょう)」だとか、「奇特孝心者(きとくこうしんもの)の控(ひかえ)」だとか、松本新銭座の銭だとかいうものは、いちいち手に取って熟覧した上に、三村道益が集めた薬草の標本のところへ来ると、われを忘れて、「有難い」と合掌し、道益の自筆本「木曾薬譜(きそやくふ)」というのを見ると、伏し拝んでしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...われを忘れて歩いていた道は...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして女は殆どわれを忘れて...
堀辰雄 「曠野」
...」青年はほんたうにびっくりしたらしく燈台看守の両手にかゝへられた一もりの苹果を眼を細くしたり首をまげたりしながらわれを忘れてながめてゐました...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...いかなる確実さを我々は判断に期待することができよう?(c)哲学が「人間はわれを忘れて狂暴になり分別を失うときに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...――もしやそこらにでも? と、彼は、われを忘れて、駒をとばした...
吉川英治 「大岡越前」
...お陸は、われを忘れて、『オオ、泣くな吉千代、お父様は、ちと御機嫌のわるい日じゃ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...「オオ、お前様」お吉はうれしさに、われを忘れて、良人の手を引っ張った...
吉川英治 「親鸞」
...お願いでござります」わしはわれを忘れて...
吉川英治 「茶漬三略」
...手はわれを忘れて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...お立ちになるぞ」「はいっ」われを忘れて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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