...その間をただ、凌霄花のにおいのする風が、またしてもかすかに、通りぬけると、たちまち楼上で平六の、何か、わめく声がした...
芥川龍之介 「偸盗」
...クーリーどもも死に際に多少わめくのがお決まりだったねェ...
東健而訳 大久保ゆう改訳 「瀕死の探偵」
...果はワン/\多くの人聲わめく聲が一まとまりになつて聞えるのである...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...とてもいられないとわめく...
伊藤左千夫 「箸」
...神も仏もないものかと泣きわめくだろうな...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...老人はいつものやうに癇高い声でわめくやうにこの仏像のすぐれてゐることを吹聴しました...
薄田泣菫 「中宮寺の春」
...まちかたの者はいまにもあけちが攻めて来ると申して泣くやらわめくやらのうろたえ方でござります...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...子供も這ひだしてわめく...
種田山頭火 「行乞記」
......
種田山頭火 「行乞記」
...不意に鞭声粛々(べんせいしゅくしゅく)とたれやらがいやな声でわめく...
寺田寅彦 「竜舌蘭」
...サア殺せ――とわめくので「殺され半蔵」と綽名(あだな)を取った男です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「泣きわめく子供を連れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...泣きわめく泉屋一家の大混亂を見せられるばかりでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...塔の一階から三階まで嘗めるやうに調べると――」ガラツ八がわめくのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そつくりこのまゝでしたよ」猪之松が先づ大きい聲でわめくのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さがして来て! どんな礼でもその人にしましょうほどに――」妻女が足ずりしてわめくさまは...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...車力が後から何かわめくと...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...いざとなれば声をだしてわめくくせに向こうでだまりこむと...
吉川英治 「神州天馬侠」
便利!手書き漢字入力検索