...よそ目にはわからぬ愉快に日を暮らし...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...よそ目には申し分なく見えたかも知れないのであるが...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...いや、避暑なんていうしゃれたもんじゃなく、東京の炎暑で病気がまたぶりかえしちゃまずいと、外房州の漁夫の家に、つてをもとめて行っていたのだが、よそ目には、女房を働かせて亭主ひとりが避暑とは、なんて結構な身分だろうというふうに見えたろう...
高見順 「いやな感じ」
...かなり異様な顎ひげもよそ目にはそれと同じ感じがした...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「ブラウン神父の醜聞」
...そうしてよそ目には気抜けのしたもののように呆然(ぼんやり)として自分一人のことに思い耽(ふけ)っていた...
近松秋江 「うつり香」
...よそ目には誰一人として...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...そしてよそ目にはせつなそうなものである...
中勘助 「妹の死」
...よそ目にはずいぶんおかしいが...
中里介山 「大菩薩峠」
...よそ目には案じられるほど...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...よそ目には、無分別な――と思うほど、激しく叩く...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...よそ目には一列一体...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...よそ目には意地悪く見えるような表情を口端に漂(ただよ)わせた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...婿取はよそ目にはいゝやうだけれども人一倍辛い...
水野仙子 「四十餘日」
...藤夜叉と不知哉丸とは、じつの母子ではあっても、あまりに藤夜叉がまだ若くてきれいなせいか、よそ目には、姉と弟のようだった...
吉川英治 「私本太平記」
...新田ノ庄ほど富有(ふゆう)な所はないとみないっておる」「よそ目には...
吉川英治 「私本太平記」
...ただよそ目には見ていられません...
吉川英治 「私本太平記」
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