...その上に白い炭焼の煙が低く山腹をはっていたのはさらに私をゆかしい思いにふけらせた...
芥川龍之介 「日光小品」
...乍併茲が手古奈のゆかしい處で...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...まことに謹直でゆかしいところのある人柄でした...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...龍宮の夢でも見てゐる態度こそゆかしいのでせうけれども...
太宰治 「陰火」
...檀家(だんか)一軒のお寺もゆかしいものである...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ゆかしい印象を残してその女は去った...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...教養のある奥ゆかしいところがあって...
久生十蘭 「キャラコさん」
...そんな奥ゆかしい事は更(さ)らに覚えはなかったのです...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...そして本種は同属中で最もゆかしい優雅な風情を持っていて...
牧野富太郎 「植物記」
...なんでもひそんでいる方がおくゆかしい...
三宅花圃 「藪の鶯」
...奥ゆかしい感じをそれらの手紙から受け取ることができた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こちらを見上げた今一人にはきわめて奥ゆかしい貴女(きじょ)らしさがあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ゆかしい人柄だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ふと古調ゆかしい一篇の詩(うた)が月魄(つきしろ)のどこからともなく聞えていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「なかなかおゆかしい」とつぶやいて...
吉川英治 「親鸞」
...含味(がんみ)してゆかしい趣のふかい歌だと思う...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...もっと、強ければ強いほど、傑出していればいるほど、優しいもの、ゆかしいもの、また、もののあわれを知っているもの……...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ゆかしいことであつた...
淀野隆三 「横光さんと梶井君」
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