...龍宮の夢でも見てゐる態度こそゆかしいのでせうけれども...
太宰治 「陰火」
...然し段々俗化して行く須磨の浦にこんな野暮臭い名物が昔の儘に存して居るのは却てゆかしい心持がする...
長塚節 「須磨明石」
...奧ゆかしいまで目立たずに...
長谷川時雨 「家」
...ゆかしい調子があった...
久生十蘭 「奥の海」
...教養のある奥ゆかしいところがあって...
久生十蘭 「キャラコさん」
...或日この古い押し花のにほひのするやうな奧ゆかしい日記の話をしてくだすつたのは松村みね子さんであつた...
堀辰雄 「姨捨記」
...そういう関係のある草だから花が咲いたら嘸(さぞ)ゆかしい花だろうと誰でも想像するけれども...
牧野富太郎 「植物記」
...奥ゆかしい感じをそれらの手紙から受け取ることができた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...奥ゆかしい佳人の存在と人から認められていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...文豪の旧宅が互(たがひ)に贈答をする習慣も奥ゆかしい...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...その言葉の中にも夫人をどんなに尊敬して居るかと云ふ事が見えてゆかしい...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...最も奧ゆかしい藝術の頂點を示すものの一つである...
吉江喬松 「山岳美觀」
...さういふゆかしい底光りと香ひが...
吉川英治 「折々の記」
...「では、単福というのは、徐庶の仮名(けみょう)であったか」「そうです、穎上の徐庶といえば、知る人も多いでしょうが、単福では、知る者もありますまい」「聞けば聞くほど、ゆかしいもの...
吉川英治 「三国志」
...何とも、ゆかしい、末頼もしいお方であろうな」と、口を極めていった...
吉川英治 「新書太閤記」
...ゆかしい仁(じん)であった」義輝は...
吉川英治 「新書太閤記」
...「ゆかしいご謙遜...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...奥ゆかしいように感ぜられて来た...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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