...蟹(かに)や寄生貝(やどかり)は眩(まば)ゆい干潟(ひがた)を右往左往(うおうざおう)に歩いている...
芥川龍之介 「少年」
...」寄居虫(やどかり)で釣る小鰒(こふぐ)ほどには...
泉鏡花 「悪獣篇」
...それは一枚貝を自分の家として住んでいるやどかりだった...
海野十三 「恐竜島」
...草の中からそのやどかりをさがしだして...
海野十三 「恐竜島」
...この島にはやどかりもいる蠅もいる...
海野十三 「恐竜島」
...『心ある人に一夜のやどかりて...
大町桂月 「冬の榛名山」
...そこにはたくさん寄居蟹(やどかり)の子がゐて...
中勘助 「銀の匙」
...……」見慣れぬ殻をかぶったちっぽけな宿借(やどかり)が三つ四つ私の足許近くまでやって来たが...
中島敦 「環礁」
...無数のやどかりども...
中島敦 「環礁」
...對州(つしま)は大きな蜈(むかで)が穴から出かけたやうでもあるし又やどかりが體を突出したやうでもあつて...
長塚節 「壹岐國勝本にて」
...おぼろにみえる沖の方から船びとはふしぎな航海の歌をうたつて 拍子も高く楫の音がきこえてくるあやしくもここの磯邊にむらがつてむらむらとうづ高くもりあがり また影のやうに這ひまはるそれは雲のやうなひとつの心像 さびしい寄生蟹(やどかり)の幽靈ですよ...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...あやしくもここの磯邊にむらがつてむらむらとうづ高くもりあがり また影のやうに這ひまはるそれは雲のやうなひとつの心像 さびしい寄生蟹(やどかり)の幽靈ですよ...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...ゼンマイ仕掛けのやどかり...
久生十蘭 「キャラコさん」
...子供達は干潟(ひがた)の寄居虫(やどかり)のようにあわてて逃出した...
水上滝太郎 「果樹」
...やどかりの如く潜りこむの惡癖あり...
吉川英治 「折々の記」
...以来また彼は上※(じょうけい)城の殻(から)に閉じ籠る臆病なやどかりになっていた...
吉川英治 「三国志」
...洛中では吉田の神護院に宿借(やどかり)いたしておるので...
吉川英治 「私本太平記」
...貝殻の中から逃げるやどかりみたいに逃げ散った...
吉川英治 「新書太閤記」
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