...「おれの頭をまるでめちゃめちゃにしてしまったのだ」彼はやっとのことで自分の家に行く道を見つけ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...小笠原諸島の南沖を西に進んでいたアメリカの大艦隊は日本の大陸政策を、さまたげる目的でやって来たのだが、途中、恐竜型潜水艦のため、大損害をこうむり、その二日後、やっとのことで、フィリピンのマニラにはいった...
海野十三 「太平洋魔城」
...怪人はやっとのことで...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...抱えるのもやっとのことである...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...やっとのことで解放された」と云うような...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...スタールツェフはやっとのことで門をたずね当て...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...やっとのことで身体を起し...
久生十蘭 「海難記」
...やっとのことでマリゴ川の近くの砂丘まで辿りついたところで...
久生十蘭 「海難記」
...青山と麻布の高台に挾まれた谷底のような陰気な町筋を、一時間近くも歩きまわったすえ、やっとのことで、それらしい番地をたずねあてた...
久生十蘭 「虹の橋」
...やっとのことで、ばたんばたんと階子(はしご)段を下りる跫音(あしおと)がきこえ、玄関のかきがねを外す音が聞こえて、やがて門の戸の用心棒をはずして、柴田の細君が出てきた...
平林初之輔 「誰が何故彼を殺したか」
...やっとのことで表扉が大きく軋(きし)みながら開かれた...
堀辰雄 「旅の絵」
...やっとのことで向うの雑木林の上方がうっすらと明るくなりだした...
堀辰雄 「菜穂子」
...やっとのことで、大きな肘掛椅子に座り直し、そのあとポケットから、かつらと眼鏡をとりだした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...やっとのことでおさえつけているためなのだろうが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...でやっとのことで二十両...
三好十郎 「斬られの仙太」
...やっとのことである方法(ほうほう)を思いついて...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「忠義者のヨハネス」
...上州厩橋(うまやばし)という遠方ゆえ、手間どったのは仕方もないが、途中、北条勢と勝目のない戦いなどして、神流川(かんながわ)ではさんざんに敗北し、やっとのことで、居城の伊勢長嶋へもどって来たなどは、気のどくといおうか、近頃の笑いぐさといってよい」公然な非難である...
吉川英治 「新書太閤記」
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