...するとある寂しい町の角(かど)に蚊のようにやせた河童(かっぱ)が一匹...
芥川龍之介 「河童」
...」「死亡証明書を持っているかね?」やせた河童は腹の袋から一枚の紙をとり出しました...
芥川龍之介 「河童」
...やせたる頬をさとあかめつ...
泉鏡花 「海城発電」
...やせた頬のあたりに...
梅崎春生 「桜島」
...やせたるは馬主(ぬし)の貧(まづし)さもしるゝものなり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...やせた手をつき出しました...
鈴木三重吉 「青い顔かけの勇士」
...まるで棒のようにやせた...
鈴木三重吉 「ぶくぶく長々火の目小僧」
...ないじゃありませんか? たぶんあなたは私が彼の着物をつけたがったとお考えになりましょう」それからやせた長い鼻をした山師は不意に...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...気持ちの悪いほどふくれていた腹がそんなに目立たなくなって来るとやせた腰からあと足が妙に見すぼらしく見えるようになりはしたが...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...やせた人たちは、これからが面白いんだといふエミリアンの言葉を信じて、たのしみに待ちかまへてゐました...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...それを乞食娘(こじきむすめ)のやせた紫色の肩の上に投げてやった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...やせた首筋のしわは見るも痛ましいほどだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...よし坊はずいぶんやせたね...
新美南吉 「病む子の祭」
...やせた男だったのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...大きなやせた婦人で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...髪をぐるぐる巻きにして、セルの上へ袷羽織を着た久保は、やせた肩越しに、朝子を振り返り、「私の方も見て下さい、そりゃ私、骨を折っているんですよ」渡廊下の踏板を越えながら云った...
「一本の花」
...「――やせたわね」と眼に力を入れて云って...
宮本百合子 「刻々」
...あのやせた人に不似合いである...
山本笑月 「明治世相百話」
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