...「ふん、やさしくいえば、二人ともつけあがって、おれをばかにする...
海野十三 「爆薬の花籠」
...まぶしいそよかぜ(ナ)・若葉へわたしへ風がやさしくねむりをさそふ・なにやらさみしく雀どものおしやべり四月廿三日もちなほして晴...
種田山頭火 「其中日記」
...その愛情はやさしくかつ深い...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その小さな友だちにやさしく別れを告げた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして私にはいつもよりやさしく...
豊島与志雄 「食慾」
...別段にやさしく吹いてくれるわけじゃありますまいからね...
中里介山 「大菩薩峠」
...これを俗語に翻訳してやさしく云えば奥行のない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...やさしくもある筈です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ああふるさとの永日に少女子どものなつかしさたとしへもなきなつかしさやさしく指を眼にあててももいろの秋の夕日をすかしみるわが身の春は土にうもれて空しく草木の根をひたせる涙...
萩原朔太郎 「秋日行語」
...(その七)女子は温順にやさしくは事たりぬべし...
一葉 「暗夜」
...やさしくその手をとりながら...
久生十蘭 「キャラコさん」
...三ばんめの妖女は、王女のたちいふるまいの、やさしく、しとやかにありますように、といいました...
ペロー Perrault 楠山正雄訳 「眠る森のお姫さま」
...私が会いたいのに」身障者がとてもやさしく丁寧に言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...この線よりこちらへ出ねば善いのです」と彼はやさしく言ひぬ...
正岡子規 「従軍紀事」
...ずきんをかぶったやさしく恭順(きょうじゅん)な奴隷(どれい)ぶりの老女中が一人とである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...やがて私は姉のあたたかい呼吸を自分の頬にやさしく感じながら眠った...
室生犀星 「幼年時代」
...「栄さん、って云ってもいいかい」さぶが帰ったあと、与平が側へ来て話しかけた、「――岡安さんから口止めをされてたんでね」「どう呼んだっていいさ、名まえなんか符牒(ふちょう)みてえなもんだからな」「おまえさんの気に障るかもしれないが」と与平はいつになく強気な調子で云った、「さぶという人にもう少し、やさしくしてやるわけにはいかないかね」栄二は与平の顔をみつめた、「やさしくって、どういうふうに」「それは自分でわかるだろう、あの人は暇を欠いて、あのとおりしげしげとみまいに来てくれる、どんなかかわりの人か知らないが、ちっとやそっとの気持でできることじゃあないよ、栄さんは頭がいいから、私の云うことなんぞ可笑(おか)しくもないだろうが、どんなに賢くっても、にんげん自分の背中を見ることはできないんだからね」そして与平は向うへいった...
山本周五郎 「さぶ」
...急に親切にやさしくなって...
夢野久作 「白椿」
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