...やけくそな拍手に混って聞えた...
江戸川乱歩 「踊る一寸法師」
...荒(すさ)んだやけくその言いかたでもなく...
太宰治 「新樹の言葉」
...」私は、もはや、やけくそで、ことさらに下品な口調で言って、「あれも、一種の地獄だあね...
太宰治 「春の盗賊」
...私は押入れを明けて氷のような蒲団(ふとん)の中へ自棄糞(やけくそ)にもぐりこんで軒下の野良犬(のらいぬ)のように丸く曲ってそのまま困睡した...
近松秋江 「うつり香」
...私はなぜかやけくそにあいそがつきて腹をたててしまうのだ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...何時でも自分をやけくそに捨ててしまえる根ざしはあるものなり...
林芙美子 「新版 放浪記」
...こうなりゃやけくそだ)恐愕の悪寒が...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...やけくそになって...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...やけくそで抵抗したが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...妻として……」夫がやけくそに言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...やけくその気持ちは分かりますが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...教師はもうやけくそになって御前試合の一くさりに手ぶり身ぶりまで加える...
本庄陸男 「白い壁」
...ファッツ今は詮術(せんすべ)尽き焼糞(やけくそ)になって取って還し一生懸命象に武者ぶり懸るとたん...
南方熊楠 「十二支考」
...このあたりからボツリボツリと通りすぎて行く人の気配がしはじめる)中年の男(これは酔っているのか、やけくそなのか、フラフラと歩いて来ながら、衰えた、しかし、何か投げやりな声で歌をうたって、金吾達とすれちがって行く)ああ、ああ、あの声でエ……(二節ばかり歌って、ひどい嘲笑をこめた声で)天皇陛下ばんざーいっ!金吾 ……(立止って)ええ、ちょっとうかがいやすが、銀座の方へはこちらへ行ったら出やしょうか?警官 銀座? そうさねえ、この電車の線路について真すぐ行くと新橋の省線のガード下をくぐるから、そしたら左に折れて行くと銀座だ...
三好十郎 「樹氷」
...ここに例の私のやけくそ観念がはたらいた...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...やけくそだったんだ...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...やけくそになって放蕩(ほうとう)に耽(ふけ)る者...
山本周五郎 「半之助祝言」
...運転手はやけくそにハンドルを廻し...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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