...妄濫(むやみやたら)と行逢ふ人に突かゝつて喧嘩を吹(ふつ)かけて居る...
徳田秋聲 「絶望」
...むやみやたらに東京中を西洋風に空想するのも或人にはあるいは有益にして興味ある方法かも知れぬ...
永井荷風 「日和下駄」
...または昔からなる名所(めいしょ)の眺望や由緒(ゆいしょ)のある老樹にも構わずむやみやたらに赤煉瓦の高い家を建てる現代の状態は...
永井荷風 「日和下駄」
...曲りくねってむやみやたらに行くと枸杞垣(くこがき)とも覚しきものの鋭どく折れ曲る角(かど)でぱたりとまた赤い火に出(で)くわした...
夏目漱石 「琴のそら音」
...こはれた幌馬車が列をつくつてむやみやたらに圓錐形の混雜がやつてくるではないか家臺は家臺の上に積み重なつてなんといふ人畜のきたなく混雜する往來だらう...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...むやみやたらと敵愾心を煽つて...
長谷川時雨 「日本橋あたり」
...心臓はむやみやたらに...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...ああ無闇矢鱈(むやみやたら)に料理を拵(こしら)えるのか? どうして蔵の中があんなに空(から)になっているのか? どうして女中頭はああ手癖(てくせ)が悪いのか? どうして下男どもはあんなに不潔で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...むやみやたらと女子大をこひしがつた...
平山千代子 「転校」
...むやみやたらにしゃべって...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...むやみやたらと聴いて廻って...
正岡容 「小説 圓朝」
...「お蝶夫人」をうたうプリマドンナも無闇矢鱈(むやみやたら)にうたうとホルピの様に咽喉をつぶしてしまいます...
三浦環 「お蝶夫人」
...で日本の批評家たちが、あまり上等でない証拠の第一は、彼等の書く批評文が、ちかごろ、むやみやたらに、むづかしくなっているという事がらの中にあります...
三好十郎 「恐怖の季節」
...近頃はよく日本料理と西洋料理とを無闇矢鱈(むやみやたら)に取交(とりま)ぜて合の子の折衷料理が出来る...
村井弦斎 「食道楽」
...ありったけの罵詈雑言(ばりぞうごん)をむやみやたらに投げつけたりはしないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...無暗矢鱈(むやみやたら)とどうでもよい式に取り扱うので...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...ただ無暗矢鱈(むやみやたら)に奇抜突飛な...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...何でもカンでも無暗矢鱈(むやみやたら)に笑わせるのだ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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