...実にみじめな終りを告げたのだが...
江戸川乱歩 「悪霊」
...二十面相もみじめな最期をとげたもんさねえ...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...みじめなのは男で...
薄田泣菫 「茶話」
...もしお母さまが意地悪でケチケチして、私たちを叱(しか)って、そうして、こっそりご自分だけのお金をふやす事を工夫なさるようなお方であったら、どんなに世の中が変っても、こんな、死にたくなるようなお気持におなりになる事はなかったろうに、ああ、お金が無くなるという事は、なんというおそろしい、みじめな、救いの無い地獄だろう、と生れてはじめて気がついた思いで、胸が一ぱいになり、あまり苦しくて泣きたくても泣けず、人生の厳粛とは、こんな時の感じを言うのであろうか、身動き一つ出来ない気持で、仰向(あおむけ)に寝たまま、私は石のように凝(じ)っとしていた...
太宰治 「斜陽」
...そのみじめな存在を篤と自分の眼を以て確かめ...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...彼はクリストフのみじめな生活を見ても...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...幸福栄耀(えいよう)なるパリーの光耀の下に隠れてるその古いみじめなるパリーの底知れぬ洞窟(どうくつ)の深みに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あまりにもそれとかけ隔(へだ)たつたさういふみじめな現実(げんじつ)のすべてがうつすりとよみがへつて※た...
南部修太郎 「夢」
...それ程みじめな境遇に置かれていたからである...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...いずれみじめな死にかたをするのが関の山よ」「それはぼくもそう思う」「どのみち助かりっこはないんだから...
久生十蘭 「だいこん」
...彼はみじめな、うちのめされたやうな気持を味ひながら、しかし何かその時代の熱情が、再び体内に湧き上つて来るやうな気がした...
北條民雄 「道化芝居」
...只をりをり餓ゑ切つたやうな小動物だけがそのみじめな姿をさらすばかりである...
堀辰雄 「ゲエテの「冬のハルツに旅す」」
...人間がどんなにみじめなものか...
山本周五郎 「へちまの木」
...いとほしの君、みじめなる君、わが思ふ君...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...このみじめな主家の末路に哭(な)いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...隠岐(おき)へ島流しとなる後醍醐天皇のみじめなくだりを次回から書かねばならない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...そのみじめな狼狽の舌打ちを重ねて来た...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...このみじめな筆を執った訳なのですが――...
蘭郁二郎 「歪んだ夢」
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