...わしはみじめな田舎の僧侶をしてゐたが...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...いつも垢染んだ襤褸(ぼろ)つ片(きれ)を身に纏うてゐた彼のみじめな姿が想ひ浮ばれるやうだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...柔かい良心の人だったら「再び噛む」に痛めつけられるようなみじめな状態におちいっても...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...みじめな貧しいものはないとも思っている...
太宰治 「如是我聞」
...そのみじめな存在を篤と自分の眼を以て確かめ...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...二年とはたたない間に消化器の潰瘍にかかってみじめな最期を遂げたに違いない...
寺田寅彦 「柿の種」
...みじめな淫蕩の間にもわたしを訪れたことである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...他方で同時に苦しめられているみじめな男の刑罰と同様に...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...いかにも敗れたる国のみじめな国際的取り扱いの地位を感じさせられたのである...
中井正一 「図書館協会六十周年に寄せて」
...今は假寺のみじめな板屋根で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まったくみじめなものでした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...難破船の寄せ集めのようなみじめな船が...
久生十蘭 「南極記」
...いわば真名古は警視庁から裏切られた上はなはだみじめな役目を果しに行くのである...
久生十蘭 「魔都」
...みじめな思いをさせるより...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...実際みじめな生を延引して...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...これみじめな死に方をする相...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この一座はみじめな瓦解(がかい)だし...
吉川英治 「江戸三国志」
...「このうえは箱根に拠(よ)って」いまはみじめな敗走をつづけ...
吉川英治 「私本太平記」
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