...昨日の稲刈りなどは随分みじめなものであった...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...さきにここで話し合つた時の意氣込みとはうつて代つた自分の今のみじめな状態が如何にも情けない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...和解をして自分のみじめな命を救おうと努める――のことなどについてである...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...やにさがっていたのではない!」みじめなプロテストではあるが...
太宰治 「親友交歓」
...みじめな貧しいものはないとも思っている...
太宰治 「如是我聞」
...みじめな自分をさらけだした...
種田山頭火 「其中日記」
...前の時にあれほどみじめなものが...
中里介山 「生前身後の事」
...冷遇せられたる行燈――これもまた天下にみじめなものの一つであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...みじめなものはありませんからね」「ところが...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんなみじめな目に逢ふのも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...みじめなくらいに小さな教授の手と足が...
久生十蘭 「地底獣国」
...みじめな恰好で火のない煖炉のそばに立っていると...
久生十蘭 「肌色の月」
...君のみじめな姿は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...そうしたみじめな目に逢(あ)いはしなかったのです...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...――お初は爺さんの内儀さんになった自分を考えるだけでもみじめな気がする...
矢田津世子 「神楽坂」
...みじめな、暗い、濁った日々、ふり返ってみれば屈辱と悲哀に塗りつぶされた月日のようだ...
山本周五郎 「追いついた夢」
...いとほしの君、みじめなる君、わが思ふ君...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...それを、ふしぎともしていない、この春日のうららかな昼霞に、おぬしは、血も、涙も、わいて来ないか」「おれには、政治向きのことは、分らないが、毎年の疫痢(えきり)や洪水でも、都の窮民は、みじめなものだ...
吉川英治 「平の将門」
便利!手書き漢字入力検索