...まったく平気なのだ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...実際はまったくそんなことがなかった...
石川欣一 「比島投降記」
...どこかの部屋にはいったのかと、そのへんのドアを、ひとつひとつあけて、懐中電灯でしらべてみましたが、どの部屋も、まったく、からっぽなのです...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...まったくこの態度に原因するものと思う...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...まったくなんの意味もないのだ...
太宰治 「豊島與志雄著『高尾ざんげ』解説」
...アーストロフ まったく...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...彼は心理の方面に欠けてるところがあるために――(彼はいつも温顔や甘言に欺かれがちだった)――彼女は業務にまったく無経験なために――(彼女はいつも業務から遠ざかっていたので興味ももたなかった)...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その響は秋の夜もいよいよまったくの夜長らしく深(ふ)けそめて来た事を...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...まったく、わたしはこの一冊を入手してこのかた、ここに盛られた人数を数えあげてみたいという衝動にいくたびか駆られたことを告白する...
服部之総 「武鑑譜」
...猪股氏は、不意をつかれてヘドモドしていたが、つぶやくような声で、「いや、まったく……...
久生十蘭 「キャラコさん」
...まったくの別人だった!竜太郎は...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...まったく間の悪さ口惜しさのために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ふせぐ武器(ぶき)がまったくないわけではありません...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...――嘘じゃあねえまったくに縹緻あげただぞ...
山本周五郎 「青べか物語」
...酒の酔いとはまったく違った...
山本周五郎 「青べか物語」
...まったく心にない様子です...
吉川英治 「江戸三国志」
...母堂の、清子みだい所登子(とうこ)嫡男(ちゃくなん)の千寿王、九歳そして、腹ちがいの一子、不知哉丸(いさやまる)は、ことし十五となっており、その生母の藤夜叉も、はや三十路(みそじ)をすこし出て、いまでは“越前(えちぜん)ノ前(まえ)”とよばれ、まったく、武家家庭の型に拘束された一女性になりきっていた...
吉川英治 「私本太平記」
...わが子の松寿丸(しょうじゅまる)へ打首の厳命が出ていたことなども――まったく夢想もしていないらしかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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