...まったく、まだ清水トンネルが出来ていない頃だが、午後の汽車で水上まで行き、猫額大ともいうべき百姓家の裏の土地でラテルネをつけて一時間ばかりすべり、最終列車で東京へ帰って来たことがあるが、こんな時代には花の便りがうらめしく、もう世の中にたのしみというものが無くなったかのように、内濠の柳の芽にため息をついたものである...
石川欣一 「可愛い山」
...内側のと外側のとまったく形がちがっていた...
江戸川乱歩 「影男」
...君と僕とがこんな関係になるまでは互いにまったくあるいはほとんど相識りもせず...
大杉栄 「男女関係について」
...彼等はまったく笑止なほどへいこらしてその処方薬を飲んだが...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...ママ!ガーエフ (浮き浮きして)まったく...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...ここはまったく寂しい場所で...
ディッケンズ Charles Dickens 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...彼らが言ったりしたりすることにはまったくの無関心を装っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...まったく夢中になっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それはまったくの墓場ではなく...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...うっかり子供の食べ物集めにも行けやしない……まったく油断もスキもなるものかネ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...日はまだまったく落ちていない...
夏目漱石 「三四郎」
...まったくそれは責める方が間違っているのだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まったく竜野人に連れられて海老原の家に行き...
柳田国男 「故郷七十年」
...起こりはまったく是もまた主婦のなさけで...
柳田国男 「木綿以前の事」
...まったく無音無色のなかに無神経な冬眠をジッとつづけている蟇(ひきがえる)みたいなものです...
吉川英治 「江戸三国志」
...まったくご存知ないことではないかもしれません...
吉川英治 「黒田如水」
...窓の外からお前さんの見当違い……まったく妙な所で会いましたねえ」「じゃ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...まったく絶息したものとみえる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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