...又候(またぞろ)フフンと云つた気になる...
石川啄木 「菊池君」
...またぞろ私の気持を馬車馬みたいに駆り立ててしまったのであった...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...十九の年にまたぞろ出奔して...
中里介山 「大菩薩峠」
...またぞろ音七が狂いだし...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...またぞろ寝框へ入ったきり動かなくなってしまった...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...私アまたぞろ夜逃げをしなけりゃなりません...
正岡容 「寄席」
...またぞろ前座同様のところに逆戻りということに相成ってしまうだろう...
正岡容 「寄席」
...散らばっていた家の者はまたぞろぞろ出てきて一ところに集まった...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...それに、早くそうするように心がけないと今後もし万一にも戦争や革命といったふうの、暴力や絶対主義などが支配するような時が来でもすると、またぞろ、われわれの間に「自己批判」や「反省」が起きて転々々々向しなければならなくなり、遂にほとんど救いがたい錯乱とコントンの中にわれわれ全体を突き落す恐れがなくはないのですから、なおさらです...
三好十郎 「恐怖の季節」
...またぞろ哄笑して...
吉川英治 「私本太平記」
...また一色右馬介も、「つい昨夜のこともあり、またぞろ、どんな御危難が待たぬともかぎりません...
吉川英治 「私本太平記」
...――またぞろ、家康の肌をそそけ立てるような深刻な事件がかれの内輪から突発した...
吉川英治 「新書太閤記」
...――洩れ聞けば、ご予定の行嚢(にもつ)のほか、またぞろ、夫人(おくがた)さまから先の大臣邸の女家族のかたがたへ、種々(くさぐさ)な贈り物がふえ、そのため執事の謝(しゃ)という人物とその他の家来二、三が付いてゆくことになったとか伺いますので」「ははあ、足手まといだと申すのだな」「のみならず、夫人(おくがた)直々の執事とか、家来などですと、途々(みちみち)、それがしの命令に服さぬ惧(おそ)れが多分にあります...
吉川英治 「新・水滸伝」
...またぞろ百人ほどな者が来て...
吉川英治 「新・水滸伝」
...またぞろ、梁山泊の内では、「すわ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そこでまたぞろ、「あんな人物がじっさいいたのか」と、よく史実を訊かれるが、金売り吉次は、牛若伝説の人物で、読者も知っている通りである...
吉川英治 「随筆 新平家」
...またぞろ静かな温泉(ゆ)の町の平和はおびやかされてしまった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...またぞろ、氷の塊りができてきた...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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