...木村の葉子に対する愛着は日を追うてまさるとも衰える様子は見えなかった...
有島武郎 「或る女」
...自然は山人に「サイダー」にもまさる清水を...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...その手拍子が自分の手拍子と合うにつけてもうらみはまさるというのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...以前にまさる苦しさは在っても私は微笑を装っている...
太宰治 「東京八景」
...日本王にまさる帝王はない...
津田左右吉 「流れ行く歴史の動力」
...腕(かひな)も肱も一齊に皆悉く疲れはて淋漓の汗に惱まさる...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...吹きまさる風と共に深夜の寒さの漸(ようや)く烈(はげ)しくなるのをも忘れて...
永井荷風 「ひかげの花」
...すればおまへのその声は天の御国(みくに)の住民の佳い音楽にまさるだらう...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...あの刹那(せつな)にまさる嬉(うれ)しさがもう再(ふたゝ)びあらうとは思(おも)へない...
南部修太郎 「寫眞と思ひ出」
...淨(きよ)き事(こと)蓮華(れんげ)にまさるべきや...
長谷川時雨 「尼たちへの消息」
...それにもまさるめでたき作品(もの)を...
長谷川時雨 「桃」
...最上の所にかしずかれた内親王もこれにまさるまいとお思われになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...さみだれや薔薇冴えまさる雲の中雨中...
横光利一 「欧洲紀行」
...高氏のする仕事を」「それでよいのか」「どんな勲功にもまさる大功としよう...
吉川英治 「私本太平記」
...以前にまさるほど...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼にまさる兵船を造ることは至難でなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...分別はこの勝入にまさると観(み)る...
吉川英治 「新書太閤記」
...けれどその歓びにもまさる当惑は...
吉川英治 「源頼朝」
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