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石川啄木 「一握の砂」
...私娼の流す害毒は公娼のそれにまさるとも決しておとると云ふことはない筈です...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一五年六月号)」
...五年十年の暮しにまさることがある...
太宰治 「道化の華」
...夏夜靜けき夏の夜半の空遠き蛙の歌聽けば無聲にまさるさびなれや眠を誘ふ水の音心しづかに流るれど夕月山に落ち行けば影を涵さんよしもなし...
土井晩翠 「天地有情」
...その時母は実母にもまさるほど親切にいたわってくれた...
豊島与志雄 「新妻の手記」
...肌寒くなりまさる晩秋の一夕(いっせき)を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――郷土望景詩――昨日にまさる戀しさの昨日にまさる戀しさの湧きくる如く高まるを忍びてこらへ何時までか惱みに生くるものならむ...
萩原朔太郎 「氷島」
...しかもその力は親々の助けやあらゆる周囲の力にまさる強力なものだということを...
羽仁もと子 「おさなごを発見せよ」
...日毎に肥えまさる悪性の御物(おもの)と駆けくらべをするほかはないと決意したことであった...
久生十蘭 「玉取物語」
...「聞きしにまさるよい土地でござるよ」おのずからそれらの気持がぴったり吻合(ふんごう)した...
本庄陸男 「石狩川」
...大人にまさるほどの立派な潜水夫になりました...
宮原晃一郎 「動く海底」
...いはぬはいふにいやまさると申こと御つたへ可被下候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...確かに前者にまさるであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その悲哀にもいやまさるほどであるのはなぜであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...前にもまさる悪口雑言を浴びせたが...
吉川英治 「三国志」
...兄の義貞にまさるこの勇将は...
吉川英治 「私本太平記」
...その貧しい人々よりもまさるものがある...
吉川英治 「神州天馬侠」
...森々(しんしん)と深まさる山また山...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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