...清逸の身体に添うて掛蒲団をぽんぽんと敲(たた)きつけてくれた...
有島武郎 「星座」
...ぽんぽんと手(て)を たたいて...
五十公野清一 「一休さん」
...この日の競馬を知らせる煙火がぽんぽんと世間の不景気なんか大空の彼方へ吹っ飛ばしてしまいそうにコバルト色の朝空にはじけた...
犬田卯 「競馬」
...鎧をぽんぽんと叩いて...
海野十三 「二、〇〇〇年戦争」
...いつもぽんぽんとうっているではないか」「いいえ...
海野十三 「爆薬の花籠」
...にじんだ声が遠くに聞えやがてぽんぽんと下駄の歯をはたく音あとはだんまりの夜も十一時となれば話の種さへ切れ紅茶もものうくただ二人手をとつて声の無い此の世の中の深い心に耳を傾け流れわたる時間の姿をみつめほんのり汗ばんだ顔は安らかさに満ちてありとある人の感情をも容易(たやす)くうけいれようとする又ぽんぽんぽんとはたく音の後から車らしい何かの響き――「ああ...
高村光太郎 「智恵子抄」
...「五十銭足らんがな」父は、ぽんぽんと、籠を引っぱたくが、五十銭は、破れ目の奥深く入っていて、出て来ない...
直木三十五 「死までを語る」
...ぽんぽんと話しに来るようにならなけりゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...面倒臭いことはお角にぽんぽんとやらせて...
中里介山 「大菩薩峠」
...鼓を持った太夫(たゆう)さんがぽんぽんと鼓を掌(て)のひらで打ちながら...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...酒場の前に立つてゐたが権はそれつきり遂ひぞ酒場に来なかつた忠義の犬日比谷公園の広ツ場に編みあげの赤い靴を穿き祖母(おばあ)さんに連れられて美晴子(みはるこ)さんが遊んでる浅い弱い春の日は鏡のやうに晴れてゐた中学生が五六人テニスネツトを引つ張つて組に分れて遊んでる軽くボールはぽんぽんと向ふにこつちに飛んでゐた祖母さんは...
野口雨情 「都会と田園」
...椅子の凭れにかけた手でその人差指がぽんぽんと...
本庄陸男 「石狩川」
...親切ごかしや障子の穴の猿どもがぽんぽんと手玉にとられて宙に跳上(はねあが)るところを見たら...
牧野信一 「鬼涙村」
...お調子者だから気軽くぽんぽんと飛び廻るので大分うけも好かつたのだが...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...ぽんぽんと叩いてなど居たのに――つい例の病ひで...
牧野信一 「老猾抄」
...ぽんぽんと冴(さ)えて響くからであった...
柳田国男 「年中行事覚書」
...ぽんぽんと柏手(かしわで)を打った...
吉川英治 「源頼朝」
...ぽんぽんと血が滴(した)たっているようだ...
蘭郁二郎 「鉄路」
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