...あの「わが袖の記」の文章の中にはどこか樗牛という人間を彷彿(ほうふつ)させるものがあった...
芥川龍之介 「樗牛の事」
...その夜の情景は髣髴(ほうふつ)と浮んで来たが...
梅崎春生 「幻化」
...なお髣髴(ほうふつ)として...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...髣髴(ほうふつ)墓中の人の出(い)で来たりてわれと良人(おっと)を争い...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...消える印象の名残(なごり)――すべて人間の神秘を叙述すべき表現を数え尽してようやく髣髴(ほうふつ)すべき霊妙な境界(きょうがい)を通過したとは無論考えなかった...
夏目漱石 「思い出す事など」
...すべてのものを幽玄に化する一種の霊氛(れいふん)のなかに髣髴(ほうふつ)として...
夏目漱石 「草枕」
...眼と鼻と口とを髣髴(ほうふつ)した...
夏目漱石 「門」
...巨人のおもかげを彷彿(ほうふつ)させ...
野村胡堂 「楽聖物語」
...六十八歳の老フランクの淋(さび)しい姿を彷彿(ほうふつ)とさせて涙ぐましくさえある...
野村胡堂 「楽聖物語」
...我らはかなり彷彿(ほうふつ)することが出来るのである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...髣髴(ほうふつ)として意気な声や微妙な節廻しの上に顕(あら)われて...
二葉亭四迷 「平凡」
...美人髣髴(ほうふつ)として前にあり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...バルザックの小説の場面が髣髴(ほうふつ)される...
宮本百合子 「一票の教訓」
...その場の現実的なものをほうふつとさせるのであるが...
山之口貘 「おきなわやまとぐち」
...かれの姿をほうふつさせるものではなかろうか...
山之口貘 「詩とはなにか」
...水天彷彿(ほうふつ)たるかなたまで...
山本周五郎 「新潮記」
...しかも国際文書に髣髴(ほうふつ)とした非常な長文電報である事を確かめた一事であった...
夢野久作 「暗黒公使」
...この画を通じてこの画よりもさらに偉大な多くの画のあった時代を髣髴(ほうふつ)し得るのである...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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