...と、こう話をしながら、ふと見ると、この部落の南に温泉の符号がある...
石川欣一 「山を思う」
...××屋という白米商の軒下をふと見ると...
犬田卯 「沼畔小話集」
...まだ朝日の昇らぬ前で、薄暗くもあったし、それに島全体を朝もやが覆っていて、遠目が利かなんだせいもあるが、何よりもそれが余り意外な場所であった為に、私は例の塀外の岩の五六間(けん)手前まで、まるで気附かないでいたが、ふと見ると、土蔵の屋根の上に、黒い人影がモゴモゴと蠢いているではないか...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...ふと見ると、そこのかどに、ひとりの、みょうなサンドイッチマンが立っていて、通りかかる人に、広告ビラをわたしていました...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...けれども、いま、このバアの薄暗闇で、ふと見ると、やはり、似てゐる...
太宰治 「火の鳥」
...「さっきのお客さんですよ」家内の声がするのでふと見ると...
田中貢太郎 「変災序記」
...ふと見ると、とよが一人で昼寝をしていたが、その着物の前が乱れ、赤い腰巻の闇から膝法師が僅かに覗いている...
外村繁 「澪標」
...ふと見ると、姿見の鏡中でも、も一人の彼女が、膝を叩いていました...
豊島与志雄 「旅だち」
...どうしたというのかしら……」ふと見ると...
久生十蘭 「キャラコさん」
...彼はふと見ると五六間先の男女の人影に歩みを緩(ゆる)めなければならなかつた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...ふと見るといつのまにか...
吉川英治 「江戸三国志」
...重蔵がふと見ると...
吉川英治 「剣難女難」
...ふと見ると、引(ひ)ッ提(さげ)刀(がたな)の浪人が、血相変えて行列を摺(す)り抜(ぬ)けようとしたので、「無礼者ッ」と、股立ちとった侍が、ドンと玄蕃の胸板を突っ返した...
吉川英治 「剣難女難」
...あの鎖(くさり)をきったのであろう」ふと見ると...
吉川英治 「神州天馬侠」
...人声の去ったあと、獄の覗(のぞ)き窓はもとのように閉まっていたが、ふと見ると、何か紙片らしい物が落ちていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...……が、ふと見ると、頭目は左の手に、鉾(ほこ)に似た長柄の刀をさげている...
吉川英治 「平の将門」
...わしもここにおるよ」ふと見ると...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...ふと見ると、眼のまえの矢来に、大きな虎の絵を描いた幕が垂れていて、木戸には、鎌槍と、蛇の目の紋と旗じるしが立ててあり、空箱に乗っている町人が、しゃがれ声をふりしぼって、「虎だ、虎だっ、千里行って、千里帰る、これは朝鮮渡りの大虎、加藤清正公が手捕りの虎――」というような人寄せ文句を、ふしづけて呶鳴っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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お使い物 ひとたまりもない 聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥
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