...真新しい菅笠の真紅なくけ紐をふくらんだ顎にクツキリと食いこませたその姿が...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...ゆったりとふくらんだり引っ込んだりしていて...
海野十三 「怪星ガン」
...ふくらんだ鞄をぶらさげてあたふたと試驗場へ駈け込んで來た...
太宰治 「逆行」
...ふくらんだ鞄(かばん)をぶらさげてあたふたと試験場へ駈け込んで来た...
太宰治 「逆行」
...待つてゐる手紙は来ない、でも、柳は芽ぶいた、桜はふくらんだ、とつぶやいてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...ふくらんだまぶた...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...尖ったりふくらんだりして...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...霞(かす)む眉、黒い瞳、赤い唇――と次第に道具立がはっきりすると、やがてしなやかな首筋、細(ほ)っそりした肩から、ふくらんだ胸、帯から脚へ流るる線と、くっきり雪の中に浮上(うきあが)って来るのです...
野村胡堂 「猟色の果」
...その手は菓子であるそのじつにかはゆらしい むつくりとした工合はどうだそのまるまるとして菓子のやうにふくらんだ工合はどうだ指なんかはまことにほつそりとしてしながよくまるでちひさな青い魚類のやうでやさしくそよそよとうごいてゐる樣子はたまらないああその手の上に接吻がしたいそつくりと口にあてて喰べてしまひたいなんといふすつきりとした指先のまるみだらう指と指との谷間に咲く このふしぎなる花の風情はどうだ...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...爪先きのふくらんだ...
林芙美子 「浮雲」
...ふくらんだ封筒を見ると...
林芙美子 「新版 放浪記」
...山鳩のようなふくらんだ声でささやいた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...ふくらんだ腹の真ん中に穴があつて...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...放りだされたナフキンのふくらんだ突起...
堀辰雄 「日付のない日記」
...弓なりにふくらんだ箪笥にも飾られた時...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...ふくらんだ買物袋を下げて...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...そんなにふくらんだ・がらん洞の・心を持ってはいないから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...玉のようにふくらんだ乳房の下を静かに吸い初めました...
夢野久作 「白髪小僧」
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