...真新しい菅笠の真紅なくけ紐をふくらんだ顎にクツキリと食いこませたその姿が...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...はちきれるようにふくらんだ真白な二の腕も露(あらわ)な十七八歳の美少女が居て...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...コンクリートが小さくふくらんだところがあります...
江戸川乱歩 「赤いカブトムシ」
...きゅうにふくらんだ線になってあらわれるので...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...ふくらんだ宝玉ある夕方...
大手拓次 「藍色の蟇」
...幻影のやうにふくらんだ宝玉は...
大手拓次 「藍色の蟇」
...さくらのつぼみがふくらんだ...
種田山頭火 「其中日記」
...さうすると白いふくらんだ腕がよけいに露れてすぐ女だと知れる結果になるのもあつた...
田畑修一郎 「盆踊り」
...まるまると毛にふくらんだ子犬が...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...勝次はやがてふつくらとふくらんだ懷をおさへながら...
新美南吉 「椋の實の思出」
...櫻の莟(つぼみ)もふくらんだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...霞(かす)む眉、黒い瞳、赤い唇――と次第に道具立がはっきりすると、やがてしなやかな首筋、細(ほ)っそりした肩から、ふくらんだ胸、帯から脚へ流るる線と、くっきり雪の中に浮上(うきあが)って来るのです...
野村胡堂 「猟色の果」
...その手は菓子であるそのじつにかはゆらしい むつくりとした工合はどうだそのまるまるとして菓子のやうにふくらんだ工合はどうだ指なんかはまことにほつそりとしてしながよくまるでちひさな青い魚類のやうでやさしくそよそよとうごいてゐる樣子はたまらないああその手の上に接吻がしたいそつくりと口にあてて喰べてしまひたいなんといふすつきりとした指先のまるみだらう指と指との谷間に咲く このふしぎなる花の風情はどうだ...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...ふくらんだ腹の真ん中に穴があつて...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...頬つぺたの非常にふくらんだ爺いさんで...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...磨りへらされた一つの青春について歌うのだ僕は永久に行く――ヒューマニズムの不朽の希望についてそしてその不断に前方に波うつ自己像の前に不朽の希望にふくらんだ胸一ぱいに双手を拡げて僕は叫ぶのだおゝあの美くしい日を誰が返してくれる!と牢獄で僕は黄銅のゆがんだ壁面に向ってこう呼んだ革命と赤旗との符号が...
槇村浩 「青春」
...ふくらんだ折鶴の羽根を摘んで持って...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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若山牧水 「小さな鶯」
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