...正造は頭陀袋のようにふくらんだ懐から書類をつかみだしたが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ふくらんだ鞄をぶらさげてあたふたと試驗場へ駈け込んで來た...
太宰治 「逆行」
...ハチ切れそうにふくらんだリリーのお腹(なか)を...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...腹のふくらんだサモワルがたぎつてゐる...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...ふくらんだ上瞼と二筋の皺のある下瞼とを...
豊島与志雄 「ピンカンウーリの阿媽」
...尖ったりふくらんだりして...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...いっぱいふくらんだ信玄袋を持った大きい女が...
林芙美子 「新版 放浪記」
...私の胸は空想でふくらんだ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...大福餅のやうに白いプックリふくらんだ右の乳房を出して...
槇本楠郎 「栗ひろひ週間」
...中央部が徳利形にふくらんだものがある...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...もう浅吉の木菟のようなふくらんだ頬っぺたには白く光る不精髭があったし...
宮本百合子 「菊人形」
...女は元禄姿(ママ)の丸くふくらんだ立姿で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ふくらんだいつもの小さな封筒がころげ落ちて...
山川方夫 「トンボの死」
...厚くふくらんだその手紙を披(ひら)いた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...赤くふくらんだ石楠花の蕾を見たとき...
山本周五郎 「失蝶記」
...幾千の荒れ狂ふ獸が頸を伸ばして、咽喉の限りに一時に咆え立てる、嚇しの、ふくらんだ、引きつゞく、一つの叫びのやうになつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...ふくらんだ無頼者(ならずもの)みたいな恰好(かっこう)をしているので...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
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若山牧水 「小さな鶯」
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