...真新しい菅笠の真紅なくけ紐をふくらんだ顎にクツキリと食いこませたその姿が...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...彼れはそのカサ/\にひからびた唇を噛んで燃えるやうな眼で下女の真赤にふくらんだ顔を睨みつけました...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...ふくらんだ上部はそのままにして...
海野十三 「宇宙戦隊」
...まるまると毛にふくらんだ子犬が...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...ふくらんだチョッキにいっぱいつめた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ふくらんだ上瞼と二筋の皺のある下瞼とを...
豊島与志雄 「ピンカンウーリの阿媽」
...彼方此方(あちこち)の花がふくらんだとやらで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...霞(かす)む眉、黒い瞳、赤い唇――と次第に道具立がはっきりすると、やがてしなやかな首筋、細(ほ)っそりした肩から、ふくらんだ胸、帯から脚へ流るる線と、くっきり雪の中に浮上(うきあが)って来るのです...
野村胡堂 「猟色の果」
......
萩原朔太郎 「青猫」
...やさしくも毬のやうにふくらんだ...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...その手は菓子であるそのじつにかはゆらしい むつくりとした工合はどうだそのまるまるとして菓子のやうにふくらんだ工合はどうだ指なんかはまことにほつそりとしてしながよくまるでちひさな青い魚類のやうでやさしくそよそよとうごいてゐる樣子はたまらない...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...ゆき子のふくらんだ手提げに眼がとまつた...
林芙美子 「浮雲」
...おせいと手をつないで降りる時のあのふくらんだやうな笑ひ声である...
林芙美子 「浮雲」
...ぷっとふくらんだ二つの乳房のさきにある薄桃いろの乳首が...
火野葦平 「人魚」
...ふくらんだ腹の真ん中に穴があつて...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...ふくらんだのじゃない?」サリイは笑い出しましたが...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...胴中のふくらんだ...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...もう浅吉の木菟のようなふくらんだ頬っぺたには白く光る不精髭があったし...
宮本百合子 「菊人形」
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