...往来に出るとその旅館の女中が四五人早じまいをして昼間(ひるま)の中を野毛山(のげやま)の大神宮のほうにでも散歩に行くらしい後ろ姿を見た...
有島武郎 「或る女」
...寒暑をかまっていられない漁夫たちも吹きざらしの寒さにはひるまずにはいられない...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...……晝間(ひるま)出掛(でか)けられますか...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...もし、ひるまなら、まだ明智ののったボートが見えていたのかもしれませんが、このくらさでは、どうすることもできません...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...精神は決してひるまない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...日間(ひるま)は親類の薬舗へ勤めておりますので...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...ひるまはとかく人目が多うござりまして三人ぎりになるような場合は始終はござりませなんだがたまにそういうことがござりますとふと席をはずして二人をながいあいださしむかいにしておきまして父がむずむずし出した時分にひょっこりもどってまいります...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...関ヶ原ではまんまと大御所を気取りそこねたが、一向ひるまない...
中里介山 「大菩薩峠」
...殊(こと)に栗(くり)の木(き)に絡(から)んだのは白晝(ひるま)の忘(わす)れる程(ほど)長(なが)い間(あひだ)雨戸(あまど)は閉(と)ぢた儘(まゝ)で...
長塚節 「土」
...昼間(ひるま)買つた百合(ゆり)の花を取つて来(き)て...
夏目漱石 「それから」
...そんなことではひるまなかった...
野村胡堂 「楽聖物語」
...彼は少しもひるまぬ...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...晝前(ひるまへ)のうちに必(かな)らず必(かな)らず支度(したく)はして置(おき)まするとて...
一葉女史 「大つごもり」
...」私は、ひるまず、ステッキの先に帽子を載せて高くさしあげた...
牧野信一 「変装綺譚」
...ひるまの鳥ですから...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...関東から東北一帯では昼間持(ひるまも)ちといっている...
柳田国男 「母の手毬歌」
...ひるまはうちにいないので...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...大正三年ひるまへてれ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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