...ひょろりと立っていたので...
アンデルセン 楠山正雄訳 「影」
...一よろけ、ひょろりとして、「――一段と烏帽子が似合いて候――」とすっくり立った...
泉鏡花 「薄紅梅」
...時々病人の部屋が寂(しん)とするごとに、隣の女連の中へ、四ツ這(ばい)に顔を出して、(死んだか、)と聞いて、女房のお増に流眄(しりめ)にかけられ、(まだか、)と問うて、また睨(ね)めつけられ、苦笑いをしては引込(ひっこ)んで控えたのが――大先生の前なり、やがて仏になる人の枕許、謹しんで這って出て、ひょいと立上って蛍籠を外すと、居すくまった腰が据(すわ)らず、ひょろり、で、ドンと縁へ尻餅...
泉鏡花 「婦系図」
...モオニングのひょろりとしたのが...
泉鏡花 「怨霊借用」
...ひょろりと出てくるといったような風情は...
上村松園 「女の話・花の話」
...ひょろりひょろりと前屈みに歩いて行くんです...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...ひょろりと伸びた幾筋かの蔓があって...
豊島与志雄 「白藤」
...細い烟出(けむだ)しが一本ひょろりと立っている低い瓦(かわら)屋根と...
永井荷風 「監獄署の裏」
...ヴァレンシアは南米航路の汽船でもっているような港だが、そこに住んでいる一婦人が、外港の波止場で、ひょろりとした、斜視(すがめ)の、新聞の人相書で読んだグランヴィルにそっくりの青年に出逢った...
久生十蘭 「悪の花束」
...庄兵衛がひょろりと紛失してしまった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...まるで病上(やみあが)りの権八のような恰好で木枯(こがらし)といっしょにひょろりと舞いこんで来た...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ひょろりの松五郎...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...忍ぶようにひょろりと入って来たのが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...門の中からひょろりと出てきた二十二三の優形(やさがた)の男...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ひょろりと戸外(そと)へ飛び出していってしまった...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...ひょろりと入りこんでは...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...ひょろりと背の高いのが...
火野葦平 「花と龍」
...「はははは、意気地なしめ……」対手(あいて)が逃げても、新九郎はまだ血刀をぶら下げたまま、ひょろり、ひょろりと四、五間歩きだしていると、後ろから水を浴びせるような声で、「寄れい!」騎馬の侍が鞍つぼから呶鳴りつけた...
吉川英治 「剣難女難」
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