...ひょっとすると邪魔物扱いにされてあの老人は殺されてしまうかもしれない...
有島武郎 「或る女」
...腹を出して、料理をしているようだが、これは、ひょっとすると、魚の味で一等二等をきめるんだかもしれないぞ」などと、そばに立っている連中がワアワア立ちさわいでいたが、スミス警部はこれを気にするようすもなく、腹を切りさいている料理人の手をジッと見まもっていた...
海野十三 「海底大陸」
...ひょっとすると、ネッドが何処かで読んだ星占師(ほしうらないし)の広告文を覚えていて、それをすこしかえて出したのであろう...
海野十三 「火星探険」
...ひょっとすると、軍隊がロボットをこの山の中で試験しているのではないかと思った...
海野十三 「火星兵団」
...ひょっとすると、これは梅野十伍自身は自覚しないのに彼の顔が鼠に似ていて、それでその潜在意識が彼にこんな筋(プロット)を作らせたのではなかろうか...
海野十三 「軍用鼠」
...ひょっとすると途端にひきつけるかもしれないが...
海野十三 「心臓盗難」
...なにしろ、この地方は、前世紀の動物が棲(す)んでいるとも評判のところだったので、ひょっとすると、案外掘りだしものかも知れないと思った...
海野十三 「蠅」
...もっともお店のためには、この車一台をたすけたわけですが、店の連中はどこへ行ったんだか、誰も見かけないんで、私は気がかりでなりません」「どうしたのかね、ひょっとすると、逃げ場所が悪かったんじゃないかね...
海野十三 「一坪館」
...これはひょっとすると...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...ひょっとするとこれから当分来ないようになるのではないかと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ひょっとすると本当に...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...ひょっとすると、僕達の兄や姉や妹なんかが、何処かにいるかも知れない...
豊島与志雄 「同胞」
...ひょっとすると、先刻の猫がこの女に化けたんじゃないかと(確かに頭がどうかしていた)本当に、ごく一瞬間だが、そんな気がした...
中島敦 「環礁」
...そしてふたりが、だまったまま、しばらく歩いたあと、「三十年もまえにとび出したんだから、ひょっとすると、あなたのおかあさんがわかかった時分(じぶん)を、知ってるかもしれませんね...
新美南吉 「名なし指物語」
...ひょっとすると五年はつづくと見込んでいたらしい...
久生十蘭 「青髯二百八十三人の妻」
...ひょっとすると、伝説中の業病なのかもしれず、果してそんなものがあったのかどうか、それさえ不明である...
久生十蘭 「泡沫の記」
...惨澹たる時期がすくなくとも五年……ひょっとすると十年はつづく...
久生十蘭 「だいこん」
...ひょっとすると、我々からあらゆる行動とあらゆる感覚をうばう睡眠という働きは、いかにも無用な・また自然に反した・ことのように思われるかも知れないが、実はこれによって、始めて自然が我々を生と死との両方のために作ったことを、教えられるのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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