...ひょっとしたら何かの暗号ではないかと思うのだよ」「それが賊の落して行ったもので...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...かくされたことを、つい忘れてしまって、ひょっとしたら、怪獣が盗みだしていったのではないかと、どきんとするほどです...
江戸川乱歩 「黄金豹」
...ひょっとしたら無慚(むざん)にも賊の毒手に弄(もてあそ)ばれているのかも知れません...
江戸川乱歩 「黒手組」
...ひょっとしたら、態と低能を装って、それを一種の保護色なり擬態なりにしているのではないかしら、ということが分って来たので、却ってこんな男に尋ねて見たら、案外何かの手掛りが掴めるかも知れぬと思う様になった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...ひょっとしたら、小林少年と緑ちゃんとを、魔法の力で祈り殺そうとしているのかもしれません...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...明智先生は、まだ北海道からおかえりにならないが、ひょっとしたら、旅さきで、とっくに、にせものとかわっているのではないだろうかと思うと、ゾーッとしないではいられませんでした...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...もう、だいぶ暑いころで、少年は、汗だくで捜し廻り、とうとう或る店の主人から、それは、うちにはございませぬが、横丁まがると消防のもの専門の家がありますから、そこへ行ってお聞きになると、ひょっとしたら、わかるかも知れません、といいこと教えられ、なるほど消防とは気がつかなかった、鳶の者と言えば、火消しのことで、いまで言えば消防だ、なるほど道理だ、と勢い附いて、その教えられた横丁の店に飛び込みました...
太宰治 「おしゃれ童子」
...ひょっとしたら、私は、ひどく不仕合せの子なのかも知れぬ...
太宰治 「虚構の春」
...滋幹は後に、その時の自分が母と平中との間に恋の取次をしたのであること、自分は平中に利用されたのであったこと、等を知ったのであるが、少くとも当時、母の側近に仕えていた女房たちと讃岐だけは、そのことを知っていたのであろうし、ひょっとしたら、讃岐こそ平中の同情者であって、母との間の連絡に滋幹を利用することを平中に教えたのも、彼女であったかも知れない...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...『ひょっとしたら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あたしはおマンさんには負けたと思っていましたけれども、ひょっとしたら、勝っているところがあるのかも知れないと考えるようになりました...
火野葦平 「花と龍」
...ひょっとしたら彼女はそれまでに何遍もその画家に出会っており...
堀辰雄 「美しい村」
...ひょっとしたら本当に価値のあるものがあるかもしれない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...ひょっとしたら私たちに起こったかもしれない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...ひょっとしたら十日目になるかも知れん」彼ら自身にもはっきりした見透しはなかった...
本庄陸男 「石狩川」
...が結局こんな絵が何のたしになる!「ひょっとしたら...
宮本百合子 「「インガ」」
...「心の曇りだ、耳のせいだ」そうも思い、「いや、人の流転(るてん)はわからぬものゆえ、ひょっとしたら、やはりお通がいるのかも知れない」彼は、お通のひとみを、星の空にえがいてみた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ひょっとしたら、お通ではあるまいか? ――などと思いながらまた、その客とは一体誰かと訊くと、新蔵は窮した容子(ようす)で、「お連れして参るまで、名は明かさずにおれ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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