...ひとりで黙つて心配相に蒼ざめたり...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...聖者ただひとりであった...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...掛け金は独手(ひとりで)にしまることは分っているのだし...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...すると、そのとき、そのドアが、ひとりでに、すこしずつ、ひらきはじめたではありませんか...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...」「ひとりで仕事をしたいのです...
太宰治 「水仙」
...ひとりでクスクス笑ったが...
太宰治 「正義と微笑」
...このままじっとしていれば自分の運命はひとりでにきまる...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...ひとりで微苦笑を禁じえませんでした...
種田山頭火 「行乞記」
...とひとりでうなづいてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...あたかも自分がひとりで大手を振って歩いているような気持ちがするであろう...
寺田寅彦 「空想日録」
...ひとりでに動きだして...
豊島与志雄 「肉体」
...ひとりでにわかることがあるのでございます……それでございますから...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしは お庭へ捨てられて夜昼 ひとりで泣きましたどなたも 迎ひに来てくれず捨てらればなしになりました『土の中でうたつてるのは誰?』とみつ子さんと千代子さんが大(おほき)な声で云ひますと...
野口雨情 「少女と海鬼灯」
...ひとりでいることは平気です...
久生十蘭 「キャラコさん」
...)息子がさういつて、馬をつなぐ筈のところの梶棒を持ちあげたぢやないの、ところが、ひとりで、いくら力持ちだつて人間が馬の代りなんて出来はしない! 持ちあがりもしないぢやないの...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...得々としてひとりで読み返して見ましたところ――何とまあ私は...
牧野信一 「船の中の鼠」
...つれに離れた片方の雪駄が寂しそうにひとりで...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...恰(あたか)も何かそこに影のようなものでも折折見出さなければならないように……しかし童子はおとなしく、ただ小さい跪座(あぐら)をくんで、ひとりで、それがひとりであるために充分であるように、丸めた彩糸(いろいと)をいくつも女の膝の上にならべていた...
室生犀星 「後の日の童子」
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