...人間はいっとう知力の発達した生物だとひとりぎめをしているのだからなあ」老博士は...
海野十三 「第五氷河期」
...少しは僕の云うことが判るらしいね」とひとりぎめをして杉浦氏はまた語(ことば)をついだ...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...民間探偵のひとりぎめの処置を...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...お布施を返す積りで独断(ひとりぎめ)の返事をした...
薄田泣菫 「茶話」
...こんな独断(ひとりぎめ)なことを師匠の留守にして...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...ひとりぎめの間のわるさの為(ため)に...
太宰治 「虚構の春」
...男のそんなひとりぎめを...
太宰治 「火の鳥」
...ひとりぎめいたし...
辻村もと子 「早春箋」
...彼らのひとりぎめのものであって普通人の心理的事実として承認せられているものではなかろう...
津田左右吉 「偶言」
...実は、多分、二人が中房の温泉あたりと、あたりをつけて、これからわれわれが、捜索に出向いて行こうとしたところだ」その時まで、だまって聞いていた宇津木兵馬が、面(かお)を上げて、「仏頂寺君、それは違う、君は、どこまでも、ひとりぎめで、その婦人と拙者とが、しめし合わせて駈落(かけおち)でもしたように思っているが、以ての外だ、なんらの関係はない、偶然に出会(でっくわ)して、偶然の道づれになったまでのことなのだ、情実関係も、利害関係も、一切ありはしないのだよ」「なるほど……」仏頂寺が、なおしさいらしくうなずいてみせたが、やがて、「そうか、全く情実関係も、利害関係もないのか...
中里介山 「大菩薩峠」
...勝手にひとりぎめして...
久生十蘭 「ひどい煙」
...――唱歌の途中に一個所太い調子放れのした声が一寸と韻律を乱すやうに、強ひて聞けば聞かれるところを根もなく指摘して、私達は、ひとりぎめに、あれが父さんだなどと戯れたのであるが、母はこゝでも同じやうなことを云つて微かに笑つた...
牧野信一 「蔭ひなた」
...私はどうしてもあの仏蘭西人を犯人とひとりぎめにしていたのである...
松本泰 「日蔭の街」
...勝手(かつて)に斯(か)う獨斷(ひとりぎめ)をして居(ゐ)ました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...平生行きません所へそのお話を私が独断(ひとりぎめ)で来てするように思われますのも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...などとひとりぎめな心を労して顔を出すと...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...胸ではひとりぎめに...
吉川英治 「随筆 新平家」
...ひとりぎめしていたのである...
吉川英治 「随筆 新平家」
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