...ひときわ目に立ってなまめかしい...
芥川龍之介 「偸盗」
...そして自分の心持ちをひときわ謙遜(けんそん)な...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...女房には一際(ひときわ)床(ゆか)しく...
泉鏡花 「海異記」
...あたりの建物からひときわ高く頭を出して...
海野十三 「一坪館」
...ひときわ鋭いヘヤーピンのような山鼻のカーブに差しかかった...
大阪圭吉 「白妖」
...ひときわ濃く石垣のうえに...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...暴風雨の音がひときわ烈しい...
豊島与志雄 「自由人」
...されば守るにその人なき家の内何となく物淋しく先生独り令息俊郎(としお)和郎(かずお)の両君と静に小鳥を飼ひて娯(たのし)みとせられしさまいかにも文学者らしく見えて一際(ひときわ)われをして景仰(けいこう)の念を深からしめしなり...
永井荷風 「書かでもの記」
...この風とこの闇(やみ)とに一際(ひときわ)物寂しく...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...ナポリの都はヴェズウブ火山の烟(けむり)あるがために一際(ひときわ)旅するものの心に記憶されるのではないか...
永井荷風 「日和下駄」
...ひときわひっそりしたものであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...隣り座敷の物騒がしさがひときわ冴(さ)えて聞え出したというものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひときわ高い頭を出し...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...中にひときわ深いのも交じっております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ひときわ華やかなマルメゾン・カーネーションにぞっこんの振りをした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...その中の回々(ふいふい)教の伝道師は、ひときわ声高く、「天に在(まし)ますアラアの神よ! どうぞこの、罪なき部落の民を助け給え...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...折々ひときわ鋭く五位鷺のやうな喉を振り絞つて余韻もながく叫びあげる声が朧夜の霞を破つて凄惨この上もなかつた...
牧野信一 「鬼涙村」
...そこの一際(ひときわ)大きな樹の幹に...
夢野久作 「死後の恋」
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