...ひしゃげた帽子を拾おうとしたら...
有島武郎 「僕の帽子のお話」
...ひしゃげた煙管(きせる)を出して点(つ)けようとしていたが...
泉鏡花 「薄紅梅」
...膳はひしゃげたように音もなく覆(くつがえ)った...
泉鏡花 「海異記」
......
今村恒夫 「手」
...賊は、せまいひたい、クシャクシャと不ぞろいな短いまゆ、その下にギョロッと光っているどんぐりまなこ、ひしゃげた鼻、しまりのない厚ぼったいくちびる、まったく利口(りこう)そうなところの感じられない、野蛮人(やばんじん)のような、異様な相好(そうこう)でした...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...拳闘選手のように鼻のひしゃげた...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...ひしゃげた様な黒いものが横(よこたわ)って...
江戸川乱歩 「五階の窓」
...すべての建物が音をたててかわるがわるふくれあがったりひしゃげたりするようであった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...彼(あ)の鼻のひしゃげた老人か」老人かと云うなり権兵衛は体を崩して倒れてしまった...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...けれども其の笑顔すら時々寒風に衝突(ぶつか)って哀れにひしゃげた相好(そうごう)に変った...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...「みくり」を通過して平たくひしゃげた綿の断片には種子の皮の色素が薄紫の線条となってほのかに付着していたと思う...
寺田寅彦 「糸車」
...こいつをひしゃげた帽子ではなく...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「蒼炎石」
...こんな古いひしゃげた帽子で何がわかる?」「拡大鏡をあげよう...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「蒼炎石」
...君ならどう考える?」私はそのひしゃげたものを手にとって...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「蒼炎石」
...ひしゃげたような頭には何だか...
徳田秋声 「新世帯」
...額のひしゃげた、目の太い、無能な顔つきの男だった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...ひしゃげたアルミのコップについだウィスキイを...
三好十郎 「胎内」
...――それから四五日は仲井天青はひしゃげた様な顔をしていた...
山本周五郎 「陽気な客」
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