...もう接洽(ひきあい)もすんでいるのだろう...
魯迅 井上紅梅訳 「狂人日記」
...親だとか伯父だとかが私が小説に耽溺するのを頻(しき)りに喧(やか)ましくいって「下らぬ戯作などを読む馬鹿があるか」と叱られるたんびには坪内君を引合(ひきあい)に出しては「文学士でさえ小説を書く...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...必ず欧洲の大乱を引合(ひきあい)に出した...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...今更引合(ひきあい)に出されても驚ろきはしない...
夏目漱石 「虞美人草」
...分りやすいように長蔵さんを引合(ひきあい)に出したが...
夏目漱石 「坑夫」
...引合(ひきあい)に持って来るに違いないと思いました...
夏目漱石 「こころ」
...古今の哲学を引合(ひきあい)に出す迄(まで)までもなく...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...よく引合(ひきあい)に出して叱(しか)られた...
長谷川時雨 「大丸呉服店」
...愛一郎は小学生のように暁子と手をひきあいながら...
久生十蘭 「あなたも私も」
...珠子さんと長謙さんが手をひきあいながらクラブ・ハウスから出てきた...
久生十蘭 「だいこん」
...江戸川乱歩氏(どうも乱歩氏ばかりひきあいに出すのであるが)は探偵小説が芸術であることについての疑いをもっていたようであった...
平林初之輔 「「陰獣」その他」
...上に引合(ひきあい)に出した叔父についても...
水上滝太郎 「大人の眼と子供の眼」
...またその第(やしき)を諸邸宅のオリアンタションのために引合(ひきあい)に出してある事である...
森鴎外 「渋江抽斎」
...すぐ相良をひきあいに出すんだ」「――でも本当にそうなのですもの...
山本周五郎 「おばな沢」
...殿までひきあいに出す必要がどこにあるんだ...
山本周五郎 「思い違い物語」
...古典平家をひきあいに出してそれをいうのは卑屈かもしれない...
吉川英治 「随筆 新平家」
...熊野をひきあいに出したのは...
吉川英治 「随筆 新平家」
...ぼくの過程をひきあいに出して定規(じょうぎ)に当てようなんていう時代知らずでもないつもりだ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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