...」「だつとつて御前(おめえ)さん、そんな駈け出しの胡麻の蠅に鼠小僧の名をかたられちや――」剳青(ほりもの)のある、小柄な男は、まだ云ひ争ひたい気色(けしき)を見せたが、色の浅黒い、唐桟の半天を羽織つた男は、悠々と微笑を含みながら、「はて、このおれが云ふのだから、本望に違え無えぢや無えか...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...涯(はて)もなく露領に続く海原(うなばら)のここかしこに漂わせている...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...はてしなき議論の後の疲れあり...
石川啄木 「詩」
...それから今度は女の手に引かれて、はてしも無く、拭き込んだ板の間を歩き、覚え切れない程沢山の柱を廻り、驚くほど畳数の多い広い部屋を越へて、大きな座敷の真中へ案内されたのです...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...」「はてな...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...地の底のはても知れぬ迷路の中で...
江戸川乱歩 「大金塊」
...あの向こうのはての...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...」ポールトンはてれくさそうに笑った...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...――はて誰にだらう)...
種田山頭火 「行乞記」
...私が到着の時と出発の時にはていねいだった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...私はてんでもうそんなものを取り上げてみようという気持すらなくなってしまったのだ...
堀辰雄 「美しい村」
...はては腹だゝしさにそを捕へて足一つ/\もぎ取りて放しけるに...
正岡子規 「病牀瑣事」
...涯(はて)しない沙原(さばく)で囲まれていて...
夢野久作 「白髪小僧」
...「はて、何んですかね、それは――」久木男爵は小首をかしげ、「矢代さん、矢代さん何んですそのあなたのお説というのは...
横光利一 「旅愁」
...「はて...
吉川英治 「私本太平記」
...消えも入りとうぞんじまする」「はて...
吉川英治 「私本太平記」
...変りはてたと思うこの姫の今のような口吻(くちぶり)を聞くと...
吉川英治 「新書太閤記」
...先生のお住居(すまい)へ出かけましたが」「わしの住居へ」「へい」「はて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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