...お三重はもう、他愛(たわい)なく娘になって、ほろりとして、「あの、前刻(さっき)も申しましたように、不器用も通越した、調子はずれ、その上覚えが悪うござんして、長唄の宵や待ちの三味線(さみせん)のテンもツンも分りません...
泉鏡花 「歌行燈」
...はずれた」「おい千二君...
海野十三 「火星兵団」
...錠がはずれました...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...たいていはずれるのが仕来(しきた)りになっているけれども...
太宰治 「父」
...並はずれて、たくましきが故に、死なず在りぬる...
太宰治 「HUMAN LOST」
...平生(へいぜい)むずかしい顔をしている教員が銅鑼声(どらごえ)を張(は)り上げて調子はずれの唄(うた)をうたったのをも聞いた...
田山花袋 「田舎教師」
...あの人も大きな山がはずれて...
徳田秋声 「仮装人物」
...一字総出の戸主連に村はずれまで見送られ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...柔らかな調子はずれの響きで耳を楽しませていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...パトラッシュがやっとの思いでアントワープの町はずれまで辿りつきそれから狭い曲りくねった道に入った時は...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...市営バスの往復は更に延長して寺島町七丁目のはずれに車庫を設けるようになった...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...調子はずれの詩吟が交(まじ)る...
中里介山 「大菩薩峠」
...甘蔗の葉摺(はずれ)の外...
中島敦 「光と風と夢」
...「案外平凡な人ですね」と言って大抵あてがはずれたような顔をして帰ってくる...
平林初之輔 「江戸川乱歩」
...私たちはその村はずれの分かれ道に...
堀辰雄 「菜穂子」
...やはりツインコタの町はずれに住んですすぎ洗濯などをしている老婆があって...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...ただひとりその中に町はずれの本屋(ほんや)の主人(しゅじん)が居(い)ましたが山男の無暗(むやみ)にしか爪(つめ)らしいのを見て思わずにやりとしました...
宮沢賢治 「紫紺染について」
...この時はもう私は退いて「余が出版事業」の範囲をはずれてしまっていたわけである...
柳田国男 「故郷七十年」
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