...手伝ってくれてもよかろうが」葉子があわてて手を出すとはずみにボタンは畳の上に落ちてしまった...
有島武郎 「或る女」
...そのはずみに足を踏みはずして...
田中貢太郎 「陳宝祠」
...老僧は通ひ船に乘り込んだはずみに私の方に近づいて來られたので...
近松秋江 「湖光島影」
...そのはずみに柿の葉が散るのかもしれません...
壺井栄 「柿の木のある家」
...行李へ蓋(ふた)をしようとしたはずみに...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...何かのはずみに人形の片足が取れると...
豊島与志雄 「子を奪う」
...彼女は落ちるはずみに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」と矢(ヤア)さんは撲(ぶ)つまねをするはずみにテーブルの縁(ふち)にあったサイダアの壜(びん)を倒す...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...畳の上に両手を突いて拝んでは見たが、金貸が商売の浅田屋は勘弁してくれそうもない、心掛けた一丁目の表店を、このはずみに、手に入れたくってうじうじしている...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...前の席のものが立ったはずみにひっくりかえされて...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...三十郎の手を取ろうとして慌てて乗り出したはずみに土間へころんと転げ落ち...
久生十蘭 「生霊」
...それがどうかしたはずみに神秘的に飛躍する不健康の強さというものがありとすれば...
平林初之輔 「ヂユパンの癖とヴァンスの癖」
...未だブロンズにならないうちの原型石膏が何かのはずみにでも壊れてしまへば好いがなどといふことをこの頃になつて急に希ひ出した自分を...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...体(からだ)のはずみにて前に傾くを踏み留まり...
三木竹二 「いがみの権太」
...軽はずみにそうした所へ出かけて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...別のしゃりこうべはがっかりしたはずみに...
室生犀星 「しゃりこうべ」
...どうかしたはずみに...
室生犀星 「生涯の垣根」
...引き合ふはずみに鞘走(さやはし)つて...
森鴎外 「大塩平八郎」
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