...昔のよしみで……」「おお...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...昔のよしみで助けてほしいの...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...「その手一ぱいの買いしめが、これまでは図星に当って、たとえ世の中からは、何といわれようと、この分で、あきないが続くことには、長崎屋の世帯も、その中(うち)には、倍にはなる――と考えていたところへ、おぬしの今度の采配(さいはい)――関東の凶作に引きかえて、九州、中国にだぶついている米が、どうッと潮のように流れ込んで来たならば、わしの思わくは丸はずれ――これまでの儲けを吐き出すはおろか、長崎屋の、財産(しんだい)を半分にしてしまっても、まだ帳尻はうまるまい――なあ、広海屋さん、おぬしだとて、このわしと、まるまる赤の他人でもない筈だ、昔のよしみで、ここのところを、何とか一思案して貰われまいか――」と、長崎屋はきつくいって、また悄(しお)れて、「もう、こうなっては、恥も、外聞もない――長崎屋、こうして、この色ざとで、そなたの前に手を突くゆえ、どうぞひとつこのわしを、助けてはくださらぬか?」必死のいろをうかべて、畳に、手を下ろそうとするのを、広海屋は押し止めて、「何をなさる長崎屋さん、そなたは、何か思いつめて、考え違いをなすっているようだ――そなたとわしとは、同格、同業、そのように頭を下げられては、罰(ばち)が当る...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
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