...のどかな場面に血わき肉おどるような音楽を持つてこられたんではどうにもしようがないではないか...
伊丹万作 「映画と音楽」
...それはのどかな春の日々であった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...のどかな陽が射していたその片側に...
高見順 「如何なる星の下に」
...昨日の淵は今日の瀬とかはる浮世の習とは言へそれにはまた纒綿とした色々の祕密が含まれて夜の夢さへのどかならず...
竹久夢二 「砂がき」
...こんなのどかな駅は...
太宰治 「津軽」
...犬のジョンだけは相変わらずいつものどかな勇ましい姿をして顔なじみの僕の通るのを見迎え見送るのであった...
寺田寅彦 「柿の種」
...のどかな春日の縁側に猫(ねこ)が二匹並んですわっている...
寺田寅彦 「蒸発皿」
...折柄山のうへなる空に雲のむら/\とうかび居たれば比叡の嶺ゆ振放みれば近江のや田上山は雲に日かげる息吹の山をいや遙にみて天霧ふ息吹の山は蒼雲のそくへにあれどたゞにみつるかも極めてのどかなる湖のうへに舟のあまた泛びたるをみて近江の海八十の湊に泛く船の移りも行かず漕ぐとは思へど丹波の山々かくれて夕立の過ぎたるに辛崎のあたりくらくなりたれば鞍馬嶺ゆゆふだつ雨の過ぎしかばいまか降るらし滋賀の唐崎八月一日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...のどかな春の日を鳴き尽くし...
夏目漱石 「草枕」
...古代歌謡ののどかな快さは他に比ぶべきものもないものである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...心のどかな春の旅をつづけました...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...大藤村(おほふぢむら)にお作(さく)が夢(ゆめ)ものどかなるべし...
一葉女史 「ゆく雲」
...尤も之はむかしの話で今日の様にどこへ行つても人のごみごみしてゐる時代にはこんなのどかな歌は出来ないであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...のどかなる結婚 三...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...のどかな気分がただよっていた...
松濤明 「春の遠山入り」
...さも知らぬふりで少し俯向き加減なのどかな様子のまま爪を磨いた...
横光利一 「旅愁」
...想像とは違い侯爵は無表情なのどかな丸顔で...
横光利一 「旅愁」
...のどかな魚紋を描いている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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