...「こう云うのどかな日を送る事があろうとは...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...皆赭(あか)ちゃけた土器(かわらけ)の肌(はだ)をのどかな春風に吹かせながら...
芥川龍之介 「運」
...のどかな雑談に耽(ふけ)っていた...
芥川龍之介 「首が落ちた話」
...先生は威厳を損じない程度にのどかな人物であること...
竹久夢二 「春」
...折柄山のうへなる空に雲のむら/\とうかび居たれば比叡の嶺ゆ振放みれば近江のや田上山は雲に日かげる息吹の山をいや遙にみて天霧ふ息吹の山は蒼雲のそくへにあれどたゞにみつるかも極めてのどかなる湖のうへに舟のあまた泛びたるをみて近江の海八十の湊に泛く船の移りも行かず漕ぐとは思へど丹波の山々かくれて夕立の過ぎたるに辛崎のあたりくらくなりたれば鞍馬嶺ゆゆふだつ雨の過ぎしかばいまか降るらし滋賀の唐崎八月一日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...のどかなる日影に...
夏目漱石 「野分」
...のどかな情趣に溢れていた...
野上豊一郎 「エトナ」
...のどかな顔で客間の中を歩き廻りながら...
久生十蘭 「キャラコさん」
...如何にものどかな磯の景色が絵のやうに浮ぶではないか...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「のどかなる結婚」は予期の通り...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...しごくのどかな日和であった...
松濤明 「春の遠山入り」
...のどかな偶然や半端な完全で満足したがる傾向のあるのを...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...のどかな没交渉でその力に対立していることを知るのは...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...力の延びてしまった横綱の負けてばかりいる角力を見ているみたいなもので、化粧廻だけ見ている分には、のどかな気分で、気骨が折れないからな...
横光利一 「旅愁」
...――のどかな紫煙(しえん)が...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...ほほ……?」と、都人らしい、いつもながらの、外国事(とつくにごと)でも聞くように、のどかな眼を、すこしばかり大きくするだけだった...
吉川英治 「平の将門」
...緩々(かんかん)たる歩調とのどかなあるきばなしに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...のどかな春の思ひ出である...
淀野隆三 「思ひ出づるまゝに」
便利!手書き漢字入力検索