...葉子はわれにもなくそこにべったりすわり込んでしまいたくなった...
有島武郎 「或る女」
...「そう膠(にべ)なくいっては話も何もできはしないがな...
有島武郎 「星座」
...またたくまにべつの人間に化けてしまったかもしれない...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...女のやうにべつたりとしたおほきな蜘蛛は...
大手拓次 「藍色の蟇」
...馬の背(せな)から敷物を取り下してその上にべつたり尻をおろした...
薄田泣菫 「茶話」
...膠(にべ)もなく拒絶した...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...自分の顔の半面にべったり赤痣(あかあざ)でもあるような...
太宰治 「人間失格」
...いけません! こんなにべっとりと血まみれになって……」「なにっ...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...濡れた髪の毛を額や頬にべっとりとはりつかせ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...わが輩はむしろ海員養成費に献納する」にべなく言い放つ武男の顔...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...戀を戀する人わたしはくちびるにべにをぬつてあたらしい白樺の幹に接吻した...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...水からでもあがったようにべったりと髪を頭に貼りつけ...
久生十蘭 「ノア」
...疲れた人夫らは湿った砂にべったりと腰をおろして背負繩(しょいなわ)をずらした...
本庄陸男 「石狩川」
...波の通ったあとの砂地みたいにべったり心の底に定着していた...
吉川英治 「私本太平記」
...見たのか」膠(にべ)もなく...
吉川英治 「新書太閤記」
...相変らず膠(にべ)もない...
吉川英治 「新書太閤記」
...口直(くちなお)しに一杯やろうか』『飲みたくない』膠(にべ)もなく...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...他(た)にべつだんの用もござらねば」「でも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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