...何等(なんら)の応答もなかった...
海野十三 「地球要塞」
...京城(けいじょう)にいるとか会社員をしている事は、いままで、なんら、悪条件と感じませんでしたが、こんどの事件があってからは、急にイヤになったのです...
太宰治 「虚構の春」
...たとえば化学的分子の立体的構造を考えていた化学者や渦動原子(かどうげんし)の結合を夢みていた物理学者にはルクレチウスの曲がったり角立(かどだ)ったりした元子は必ずなんらかの暗示を与え得たであろうと思われる...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...なんらの教育も訓育も...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...なんらの意見をもまとめ上げることができなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...なんらの価をももってはいなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼はなんらの偏見もなく広い好奇心をいだいていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そしてなんら永遠の宿命も戦いの上に臨んではいない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...なんらの制限もなく存在して...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...なんらの道義心のなかったことを...
蜷川新 「私の歩んだ道」
...何等(なんら)論理的まちがいのないことなどが今更(いまさら)のように考えられるのである...
橋本五郎 「地図にない街」
...なんらの音信がなかった...
牧逸馬 「チャアリイは何処にいる」
...ゆえに『草木図説』にもなんら食用のことには触れていない...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...他へ憑きものを移そうとしてもなんら物怪(もののけ)の手がかりが得られないのに困り...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...もうこの世にはなんらの執着も残らぬことを自覚あそばされて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...なんら美に対する反省なくして...
柳宗悦 「工藝の道」
...なんらの意味もふぜいも感じられなかった...
山本周五郎 「季節のない街」
...なんら行政的手腕があるわけでもない...
吉川英治 「私本太平記」
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