...できないもんでしょうか」葉子はなでるような好意のほほえみを見せた...
有島武郎 「或る女」
...そしてそれがガラスをなでるようにして...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...なでるように彼女の動作を追った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...傑作というものはわれわれの心琴にかなでる一種の交響楽である...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...人の心のほんの上面をなでるだけである...
寺田寅彦 「神田を散歩して」
...もたれ合ってギターをかなでる...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...さらさらと帽子をなでるだけである...
豊島与志雄 「幻覚記」
...三度しずかにその頬をなでる...
中勘助 「母の死」
...白鳥の翼でなでるやうな軟風が時々そよ/\と渡つて來る...
長塚節 「佐渡が島」
...つるつるとなでるやうに月があがつた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...Kの髪毛(かみのけ)をやさしくなでるようなことをやってのけた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...その声のかなでる音楽を耳にしながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...人見 やあ!(頭髪をなでる)ハハ...
三好十郎 「その人を知らず」
...潯陽江(じんようこう)では商人のためにも名曲をかなでる人があったのでございますから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その子供のしたことはわたくしの石面をなでると同じいいとしさのあまりである...
室生犀星 「庭をつくる人」
...なでると黒い垢(あか)がボロボロ落ちた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...人生の長い旅路においてかなでるべきや...
吉川英治 「親鸞聖人について」
...ぼくら日本に生きる者の肉親感の琴線(きんせん)をかなでるものらしい...
吉川英治 「随筆 新平家」
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