...なまめかしくなでるように聞こえて来るばかりだ...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...冷たい風がさっと頬をなでる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 海野十三訳 「まだらのひも」
...工場のベルではなく天体のかなでる音楽の波動と大気をみたす香りとによって伴なわれて...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...なにか危なかったと胸をなでる気持がありました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...人の心のほんの上面をなでるだけである...
寺田寅彦 「神田を散歩して」
...あたかも静寂な暮れ方の空をいろどる夕ばえのごとき明るくはなやかなさびしさをもって全巻のカデンツァをかなでることになっているのである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...もう再び琵琶をかなでるの元気はなくなったと見え...
中里介山 「大菩薩峠」
...アゴをなでる八五郎です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...わざと娘の顔をなでるようにした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その声のかなでる音楽を耳にしながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...優しくビビイの黒髪をなでる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...そして時々髪をなでるたびに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...この小さい頭のアンバランスも察しられてなかなかいいところをなでるらしくてトロトロよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...潯陽江(じんようこう)では商人のためにも名曲をかなでる人があったのでございますから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まるで琵琶(びわ)の古曲でもかなでるような...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...おりゃあだいぶ酩酊(めいてい)したが……」と太り肉(じし)のあぶら顔をなでる...
吉川英治 「江戸三国志」
...この名樂器をかなでるには...
吉川英治 「折々の記」
...……そうかや?」頭髪(つむり)をなでると十八公麿は...
吉川英治 「親鸞」
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