...するとちょうど客の頭の上でどんちょうがバタバタとゆれ...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...古ぼけた蝦茶色(えびちゃいろ)の緞帳(どんちょう)に金文字で「銀平曲馬団」と銘がうってあったのには...
海野十三 「三人の双生児」
...社会の鈍調(どんちょう)に懶殺(らんさつ)せられんとするもの...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...緞帳役者(どんちょうやくしゃ)の振舞である――拙者のむかし見た海老蔵は...
中里介山 「大菩薩峠」
...これはまた何というキザたっぷりの緞帳臭(どんちょうくさ)い返事だ!三十五ともかくも...
中里介山 「大菩薩峠」
...まるで緞帳芝居(どんちょうしばい)の道具立(どうぐだて)見たようだ...
夏目漱石 「虞美人草」
...あれを止(や)めねえものかと仰しゃってたそうだから――」緞帳(どんちょう)芝居――小芝居へ落ちていた役者(もの)は...
長谷川時雨 「市川九女八」
...舞台監督は狼狽(あわて)て緞帳(どんちょう)をおろしてしまったが――赤面と心痛――開場式に頭が飛ぶとは――彼女は人知れずそれを心に病んだ...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...緞帳(どんちょう)が下りた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...暗闇が緞帳(どんちょう)のように降りた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...そうして緞帳(どんちょう)芝居を三軒くらい掛け持ちをすると...
正岡容 「初看板」
...遠国(おんごく)すじの田舎まわりをしていた緞帳(どんちょう)だったのが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それも緞帳(どんちょう)から成り上った器用役者...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...寿阿弥曇(じゅあみどんちょう)の歿したのも同年である...
森鴎外 「細木香以」
...回舞台禁止で幕はことごとく緞帳(どんちょう)...
山本笑月 「明治世相百話」
...彼は秋蘭の部屋の緞帳(どんちょう)を揺すった...
横光利一 「上海」
...毒々しい幕と緞帳(どんちょう)とで粉飾されています...
吉川英治 「江戸三国志」
...舞台では今し水芸の女太夫(おんなだゆう)白秀英(はくしゅうえい)が観客の大喝采(かっさい)をあびてサッと緞帳(どんちょう)のうしろに姿をかくしたところらしい...
吉川英治 「新・水滸伝」
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