...一度にどつとどよめくかと見れば...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...突然裏庭の方で笑いどよめく声が起こった...
有島武郎 「フランセスの顔」
...荒潮の哮(たけ)りどよめく波にゆられて...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...何か人々がどよめく気配がしたので顧みると...
豊島与志雄 「群集」
...「欧羅巴(ヨーロッパ)の文明というものは間違っているです、蒸気が走り、電気が飛び、石炭が出る、機械がどよめく、それで、人が文明開化だといって騒いでいるだけのものです、蘊蓄(うんちく)ということを知らないで、曝露(ばくろ)するのが文明だと心得違いをしているです、陰徳というものを知らないで、宣伝をするのが即ち文明だと心得違いをしているです、ごらんなさい、今に亡びますよ、今に欧羅巴人同士、血で血を洗う大戦争をはじめて共倒れになりますから、わたくしは、そういうところに住むのが嫌いですから、もっと広い世界へ出ました」「君は文明開化を否定している、人類の進歩というものを呪(のろ)っているらしい、それが欧羅巴の文明というものを究(きわ)め尽しての結論だと面白いが、ただ偏窟な哲学者の独断では困る」「わたくしは偏窟人です、世間並みの風俗思想には堪えられません、それだからといって、わたくしの見た欧羅巴文明観が間違っているとは言えますまい、そもそも、欧羅巴が今日のように堕落したのは……彼等は堕落と言わず、立派な進歩だと思い上って世界に臨んでいるようですが、わたくしに言わせると、彼等より甚(はなはだ)しい堕落はありません、何がかくまで欧羅巴を堕落させたかと言えば、それは鉄と石炭です」「ははあ、妙な論断ですね、羅馬(ローマ)の亡びたのは人心が堕落したからだということは、よく聞きますが、鉄と石炭が欧羅巴を堕落させたという説はまだ聞きません」「学説ではなくて事実です、まず欧羅巴というところが、世界の中でどうして特別に早く開けたかといえば、それは食物を耕作する良地に富んでいたからです、土地が肥えていて、人間が食物を収穫するのに、最も都合がよかった、というのが第一条件であります、これは勿論(もちろん)であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひるの部から景気よくどよめく...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...どよめく程入ったんだが何しろ回数アホれないので――それに割引もあるとかで...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...どよめくのは物凄いが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...図式化されぬ戦列の行進曲(マルセーユ)を教えたむかし わたしらは歌ったそれは生産の轟音と××の燃焼者として張りつめた重苦しい思想の激潮―――どよめく奔流の疾走者さゞめく周期風に...
槇村浩 「人民詩人への戯詩」
...凄(すさま)じいのは音ばかり」こんな歌を歌って一座はどよめく...
森鴎外 「佐橋甚五郎」
...真白く渦捲(うずま)きどよめく波の間を...
夢野久作 「瓶詰地獄」
...とガヤガヤどよめくうちに...
吉川英治 「江戸三国志」
...山谷のどよめく中に...
吉川英治 「三国志」
...敵のどよめく気配がする...
吉川英治 「三国志」
...斬れたわ」どよめく見物人の喝采(かっさい)を尻目に...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その黒い潮の吠えは、南かと思えば北に揚がり、北かと思えば、東にどよめく...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いや数十団のどよめく生き方を見まもっていた...
吉川英治 「随筆 新平家」
...どよめく声援者につつまれながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
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