...それでどこもかしこも...
芥川龍之介 「酒虫」
...蓬坪は今もその時分も変りはねえがどこもかしこも蕎麦の畑で...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...そうして総体の意識がどこもかしこも稀薄(きはく)になった...
夏目漱石 「思い出す事など」
...ああ草の根株は掘つくりかへされどこもかしこも曇暗な日ざしがかげつてゐる...
萩原朔太郎 「青猫」
...どこもかしこも鼠の巣にてべたいちめんである...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...どこもかしこも、すべて殘る隈なく...
萩原朔太郎 「宿命」
...どこもかしこも菜の花だらけじゃ」草いきれのたつ庭先には荒々しい青葉がぼうぼうと乱れを見せて猛(たけ)っているだけで...
久生十蘭 「肌色の月」
...あとの寄席もどこもかしこも大入続きで...
正岡容 「初看板」
...どこもかしこも不入りだった...
正岡容 「寄席」
...一応おめでたいみたいなのよどこもかしこも...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どこもかしこも防護団の制服をつけた人だらけでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どこもかしこも似たようなものだ...
三好十郎 「肌の匂い」
...どこもかしこも行停りなのだ...
室生犀星 「汽車で逢つた女」
...どこもかしこも寒くて気味が悪い...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...江戸は繁華でこそあるがどこもかしこも家やしきばかりで眼をたのしませる風景の変化もなく...
山本周五郎 「日本婦道記」
...どこもかしこもとりちらしたなかに...
山本周五郎 「柳橋物語」
...どこもかしこもこんなになるのかしら...
横光利一 「旅愁」
...大床のどこもかしこも...
吉川英治 「私本太平記」
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