...どこもかしこも一面に青くなっていました...
芥川龍之介 「片恋」
...それでどこもかしこも...
芥川龍之介 「酒虫」
...蓬坪は今もその時分も変りはねえがどこもかしこも蕎麦の畑で...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...どこもかしこも俗了(ぞくりょう)でいけません...
上村松園 「女の話・花の話」
...――どっちを向いても床から天井まで、どこもかしこも、ただ目にうつるものは、顔、顔、顔、だった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...どこもかしこも円い...
豊島与志雄 「自由人」
...どこもかしこもまだみずみずしくうすい色をして...
中勘助 「妹の死」
...どこもかしこも火の消えたようでいや早や情ない位で御座います...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...どこもかしこも見損(みそこな)ってしまう...
夏目漱石 「虞美人草」
...第一(だいち)どこもかしこも腥(なまぐさ)いのです...
夏目漱石 「こころ」
...ああ草の根株は掘つくりかへされどこもかしこも曇暗な日ざしがかげつてゐる...
萩原朔太郎 「青猫」
...ああ草の根株は掘つくりかへされどこもかしこも曇暗な日ざしがかげつてゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...どこもかしこも菜の花だらけじゃ」草いきれのたつ庭先には荒々しい青葉がぼうぼうと乱れを見せて猛(たけ)っているだけで...
久生十蘭 「肌色の月」
...一応おめでたいみたいなのよどこもかしこも...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この頃はどこもかしこも修羅場で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...数寄屋町(すきやまち)にこの女程どこもかしこも揃(そろ)って美しいのは...
森鴎外 「雁」
...「なにしろ、家内の母乳(ちち)が出ませんので、乳児(ちのみ)には、葛(くず)、米の粉などを湯掻(ゆが)いては、飲ませておりますが、今夕、この辺りの散所街(さんじょまち)は、どこもかしこも、えらい騒ぎでございましてな」「ほ...
吉川英治 「私本太平記」
...で、事変後の数日、その余波のもっとも高そうな人と地理と情勢とを、いまその禍乱(からん)を離れて、天下の全面を高所から大観してみると、帰するところ、どこもかしこも、愕(おどろ)きの余りに、――如何にこの大変動に処すべきか...
吉川英治 「新書太閤記」
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