...一室毎に高まる怪奇な鬼仏の群像にてきぱきと説明をつけるのであった...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...早く」船長は、てきぱきと、次から次へ命令を出した...
海野十三 「爆薬の花籠」
...料理場の男と店の方を受持つてゐるてきぱきしたお安さんともう一人の女中との外に...
鈴木三重吉 「桑の実」
...あの通りてきぱきと物を運ぶ人だけに...
薄田泣菫 「茶話」
...てきぱきと指図をしてくれるのだつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...敏捷(てきぱき)と院内(いんない)の秩序(ちつじょ)を改革(かいかく)したろうか...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...わたしの知り合いがてきぱきと商売や各種の職業にはいっていくのを見つつ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...」相変らずてきぱきした語調であった...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...「どうと云うわけもないが」云い方を考えて、「なんと云うのか、家が収まらん、兄貴が死にでもすると、家がめちゃめちゃになるのだ」「まさか、そんなことはないだろう、華美(はで)ずきで、あちこちへ往くようだが、てきぱきして、家のことでもなんでも、兄さんにかわってやってるじゃないか」「それがいけないのだ、出しゃばって、華美好きな女なんて、ろくなことはしないのだ」「無駄づかいでもするのか」「無駄づかい、無駄づかいも、衣裳(きもの)道楽とか、演劇(しばい)道楽とか、そんな道楽なら、たいしたこともないが、いけないのだ」「それじゃ、素行(みもち)でもわるいのか、演劇(しばい)なんかへ往ってると、俳優と関係があるとかなんとか、人はへんなことを云いたがるものだよ、何かそんな噂でもあるのか」「そりゃ聞かないが、あんな女だから、そんなことを云われてもしかたがないよ、困った奴よ、児は小さいし、もし、兄貴でも死んだら、どうなるか判らないからね」「兄(あに)さんが死んでも君がありゃ、大丈夫じゃないか、君が広坊の後見をして、しっかりやるなら、なんでもないじゃないか、それとも姉さんが、君を邪魔者にして、兄さんにたきつけるのか」「そうでもないが、姉貴はじめ、家の雰囲気(まわり)が厭(いや)なんだ」「そうか」賢次はふと考えて、「君、いっそお媽(かみ)さんをもらって、別家したらどうだ、気もちがかわって、いいじゃないか」「俺(おいら)は、今、細君(にょうぼう)をもらう気がしないのだ」「何故だ」「何故と云うこともないが、もらう気がしない」その時階下(した)から嬰児(あかんぼ)の泣き声が聞えて来た...
田中貢太郎 「春心」
...するだけの事はてきぱきと片をつけるのだつた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...口のてきぱきしたお島は...
徳田秋声 「あらくれ」
...たがいに歩調を合せながら出かけた――彼女の気性どおりの素早いてきぱきした小足で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いろいろの發見や自分の斷案をてきぱきと語り傳へた...
南部修太郎 「死の接吻」
...冷酷なフーキエ・タンヴィルがてきぱきと矢継早やに判決を下していた...
野上豊一郎 「パリの地下牢」
...てきぱき事を運ばうと...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...てきぱきと受け入れた...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...さわ子もてきぱきした性質でないことは認めるなんて――勇蔵さんはああいう機敏な男だから...
「海流」
...てきぱきと締め括りをつけた...
山本周五郎 「菊屋敷」
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