...「何としてさほどつれないぞ...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...から/\と明かるく乾き切り澄み切つて「つれない」のである...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...目にはつれない仕打ちがうつる...
永井隆 「この子を残して」
...わざと多くのともをつれないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...みんなつれない色を見せる...
中里介山 「大菩薩峠」
...あんなつれない真似(まね)をする必要は無かったではないか――六呼びかけると思った女が...
中里介山 「大菩薩峠」
...幸ひに髪がふさふさと綺麗だからこの頭蓋骨のなかに菫色の豆ランプをともしつれない恋人よこの美しい角燈(ランターン)を貴女の寝室へ贈らうと思ひます...
仲村渠 「贈物」
...二人は幼稚園の子供のやうに足並そろへて街の片隅を歩いてゐた同じやうな運命を持つた女が同じやうに瞳と瞳をみあはせて淋しく笑つたのですなにくそ!笑へ! 笑へ! 笑へ!たつた二人の女が笑つたつてつれない世間に遠慮は無用だ...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...なにくそ!笑え! 笑え! 笑え!たった二人の女が笑ったとてつれない世間に遠慮は無用だ私達も街の人達に負けないで国へのお歳暮(せいぼ)をしましょう...
林芙美子 「新版 放浪記」
...お釈迦様!あんまりつれないではござりませぬか!蜂の巣のようにこわれた私の心臓の中に……お釈迦様ナムアミダブツの無情を悟すのが能でもありますまいにその男振りで炎のような私の胸に飛びこんで下さりませ俗世に汚れたこの女の首を死ぬ程抱きしめて下さりませナムアミダブツのお釈迦様!妙に佗しい日だ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...真名古は無言のままつれない素振でその袖を払うと帳場(レジストレ)の方へ歩いて行き...
久生十蘭 「魔都」
...つれないマンの態度に...
火野葦平 「花と龍」
...今更つれない事をいふとお思ひかも知れませんけれど...
水野仙子 「響」
...けれども海岸の防風林にもつれない風が日に日に吹きつのり別荘町も淋しくなる八月の末には都へ帰らなければならなかった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...やつれない生き生きしたおかげのせゐではなからうか...
三宅周太郎 「中村梅玉論」
...ピートがもつれないようにさばいていた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...――つれないその男を憤つたり...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...通訳の人をつれないので...
和辻哲郎 「鎖国」
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