...第三に見える浅草はつつましい下町(したまち)の一部である...
芥川龍之介 「野人生計事」
...私はその青年と少女とのつつましい結婚式の描写を書き了えた...
太宰治 「断崖の錯覚」
...決して出しやばらうとせぬつつましい温和な表情...
太宰治 「津軽」
...都会人のつましい本性...
太宰治 「人間失格」
...つましい奥ゆかしいことなんだ...
太宰治 「春の盗賊」
...おとなしくつましい生活をつづけることが出来る...
種田山頭火 「其中日記」
...つつましい誇りとしあるいはむしろ最大の楽しみとしていたものらしい...
寺田寅彦 「糸車」
...ただ科学の野辺に漂浪して名もない一輪の花を摘んではそのつつましい花冠の中に秘められた喜びを味わうために生涯を徒費しても惜しいと思わないような「遊蕩児(ゆうとうじ)」のために...
寺田寅彦 「科学に志す人へ」
...つつましい表情を浮かべながら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...父はつましい人だ...
長塚節 「開業醫」
...門構えのつつましい一軒の貸家が眼にはいった...
林芙美子 「貸家探し」
...つつましい花を咲かせる優しげな岩隙も...
久生十蘭 「海豹島」
...つつましい曇天だった――...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...このつましい晩食(ばんしょく)がすんだとき...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...封建の枠の内でつつましいおのれは分裂していなかった...
宮本百合子 「現代の主題」
...美しいものに対して私たちはごくつつましい眼つきを与えるか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...今迄自分が訪ねて行つた女たちが全部と言つてよい位に貧しくつつましい生活をしていたのが...
三好十郎 「肌の匂い」
...商家のつつましい隠宅とか...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
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