...ちぎれ雲が大空(おおぞら)から影を落としたか...
泉鏡花 「海の使者」
...それまでは見えなかったちぎれ雲が生あるもののようにあやしい色にはえ...
海野十三 「恐竜島」
...どうかすると追懐のちぎれ雲が影を落さないものとも限らない...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...まん円い大きな月が静かにちぎれ雲の上で踊つてゐた...
薄田泣菫 「独楽園」
...ちやうどそのやうにそのちぎれ雲も空の広みをうろうろしてゐるうちに...
薄田泣菫 「独楽園」
...ちぎれ雲の焼酎一杯あほつたせいか...
種田山頭火 「行乞記」
...秋となつた空にちぎれ雲...
種田山頭火 「其中日記」
...ちぎれ雲がいう/\として遊ぶ...
種田山頭火 「其中日記」
...先ほどの雲の名残りと見えるちぎれ雲は縁を赤く染めてその上におぼつかなく浮いていた...
田山花袋 「田舎教師」
...巨口を開いた雨竜(あまりょう)のような形をしたひと流れのちぎれ雲が...
寺田寅彦 「軽井沢」
...白いちぎれ雲が浮かんで居り...
中村地平 「悪夢」
...その梢に白いちぎれ雲がある...
原民喜 「焔」
...ぬけるような紺青の空に白いちぎれ雲が浮び...
久生十蘭 「白雪姫」
...廿六日 ちぎれ雲...
正岡子規 「雲の日記」
...ふつくらとしたちぎれ雲のかず...
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...空をあおげば団々(だんだん)のちぎれ雲が...
吉川英治 「神州天馬侠」
...黒いちぎれ雲のように...
吉川英治 「神州天馬侠」
...まッ黒なちぎれ雲――逢坂山(おうさかやま)の肩だけに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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